サイゾーpremium  > 特集  > エンタメ  > 窪田正孝の凄みとハイロー未来への期待 【対談後編】
第1特集
琥珀さん、勉強させていただきます!サイゾーpremiumハイロー祭【3】

『HiGH&LOW』は忠臣蔵になる! 未来への期待とこれまでの感謝を込めて――ありがとうハイロー、お体だけはどうぞ大事に… 【対談後編】

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加藤:「HiGH&LOW THE DTC」を挟んだからか、DTCの3人も、演技力は格段に上昇してましたね。あの爆弾のシーン、おもしろすぎました。語弊がありますけど、「バカしかいない空間」ができていた。九十九さんの「とりあえず1本いっとくか」とか。あれが大好きなんですよ。変な話、あのテンションで全編やってくれてもよかった。

編集部:「探すんかい!」最高でしたね。『HiGH&LOW』ってギャグセンスがあまりないと最初は思ってたんです。ちょっと笑かすシーンってドラマシーズン1からあったんですけど、ハマりの悪さが気になって。だからザム3の爆弾のくだりが純粋に笑えたのは、間の使い方が抜群に上手くなった証拠なんじゃないでしょうか。ザム2から加わった脚本家の福田晶平さんは、吉本の劇場のコントライブなどをずっと書いてる方なので、お笑い畑の人がちゃんと入った効果もあるのかもしれません。

藤谷:私はあそこは「なぜクライマックスで、特に役に立たないシーンを……?」と思いました。改心したDTCが何かしらの活躍をすると思ったら、コントするだけ。それこそ徐々にクライマックスに上がっていくところで、ぽっかり踊り場みたいなテンションの空間ができあがっていた。あそこだけカットしてhuluでやっても何の問題もないでしょう。話の筋にはまったく必要ないから。でもあそこをカットしてしまうと、DTCの出番がなくなってしまう……。というか、DTCの感情は一体どうなってるのか。ザム2ではあんなにピリピリして、今回もコブラに啖呵切ってたのに、ちょっとテッツの親父に説教されたくらいで、気持ちが変わるのが早すぎません?

加藤:僕は逆にあそこは「渡辺裕之さんだったら仕方ないな」と思いました。ダンさんたちも怪我をしていたから、ひょっとしたら九龍の襲撃において、テッツの親父も戦ったのかもしれない。白いタンクトップが若干薄汚れてましたけど、あれは九龍が襲ってきたときの返り血なんですよ。テッツの親父が九龍を撃退して、「こういうやつらにのさばられるくらいなら、俺は残る」みたいな親父の翻意があったのでは。

藤谷:「ザム3 ・150分ディレクターズカット版」(※存在しません)ではそういうシーンがあるのかもしれない……。

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【4】クエンティン・タランティーノ監督の映画。1992年公開。

加藤:DTCのところの説明不足を補うためにも、あの暴力的な説得力を持つキャスティングは必要だったんですよ。B級映画でもたまにあるんです。マイケル・マドセンっていう、『レザボア・ドッグス』【4】に出てる俳優が、本当にどうしようもない映画に結構出てくれる人なんです。

 もうグチャグチャになってる話でも、マドセンが出てきて何か言ったら、その場が丸く収まったような気になるんです。それと同じものを感じました。

藤谷:「ファイト一発」で全てを解決してきた男ならではの説得力がある、と。

ハイローは「なんでもやっていい『アウトレイジ』」か?

加藤:あとはやっぱり、九龍の皆様の話をしていいですか。今回一番目立った勢力って、九龍なんじゃないでしょうか。見どころとして、九龍の皆様の演技のおもしろさで引っ張ってる部分も多分にありました

藤谷:そうですね、全貌も分かりましたし。それぞれどんな特徴があるのか、頭の皆さんにそれぞれ見せ場があったから。みんな一つ一つの動きだけで「恐い存在」だというところが伝わりました。

加藤:克也会長なんて、達磨の拠点を襲撃したとき、冗談みたいな襟の革ジャン着てましたよ。シルバーのダブルのスーツから急に服装が変わって。でもすごい強そうだし、確かにカッコいい。要はハイローって、「なんでもやっていい『アウトレイジ』【5】」なんですよ。『アウトレイジ』は一定以上のリアリティを保たないといけないけど、こっちは好き勝手やっていい。それは楽しいでしょう。

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【5】巨匠・北野武監督による「全員悪人」なアウトロー映画。2010年の第一弾を皮切りに、続編として12年に「ビヨンド」17年に「最終章」が公開された。バカヤロー!コノヤロー!

 それで思ったのですが、『HiGH&LOW』ってコンテンツは何なんだろうって考えた時に、これはLDHによる“福利厚生”的な側面もあるんじゃないか、と。ガンちゃんさんがすごく顕著ですけど、普段彼が求められてるのは爽やかな青年で、アイドル然としたキラキラ仕事が多いわけですよね。そんな中で『HiGH&LOW』だと、コブラのようなワイルドでクールな役ができる。本人たちもキラキラ路線だけじゃなくてギラついた感じもやりたいだろうから、そういうガス抜き的な意味があるのかもしれない。彼らをLDHの社員と考えると、これは仕事であり、同時に一種の福利厚生というか、慰安旅行なんですよ、きっと。そしてほかの俳優さんたちにとっても、例えば岸谷五朗さんや加藤雅也さんとかも今だと「主人公の会社の上司」みたいな普通の役が多い中であんな役を求められたら、楽しいと思います。

編集部:そしてその旅行を主催することによって、LDHは芸能界のいろんな人達から支持をもらっていく、と。

藤谷:『HiGH&LOW』に出て、株を下げた人はいないですからね。

加藤:九龍のみなさん全員楽しそうでしたし、「ハイローに出たい」と公言する役者さんまで出てきましたから。

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