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【premium限定連載】芸能ジャーナリスト・二田一比古の「週刊誌の世界」

ハリウッドプロデューサーのセクハラ騒動は対岸の火事じゃない! 日本芸能界におけるセクハラの歴史

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渦中のハーヴェイ・ワインスタイン氏(wikipediaより)

 米ハリウッドで大物プロデューサーによる女優へのセクハラ横行事件が発覚した。1人の女優の告発をきっかけに「こんなにいたのか」と驚くほど、次々と女優が「私も」と告発してきた。数多くの名画を世に送り出した敏腕プロデューサーとはいえ、アカデミー賞の主催者は即座に会員資格をはく奪する厳しい処分を下した。

「仕事をあげるから寝ろ」という映画プロデューサーの立場を利用した行為だが、決して珍しい事ではなく、日本の芸能界でも少なくない。ただ、告発には至らず、逆に、泣き寝入りする人もいるという。

「レイプと同じで、告発するのが恐い。無名の女優と力のあるプロデューサーとなれば、告発が事実でもハリウッドのように音声テープなり確かな証拠がないと、握りつぶされてしまうし、むしろ、そんな世界と割り切り、自ら一夜を共にして仕事を得る子もいる」(芸能関係者)

 著者も何度となく「セクハラされた」という話を聞いたことがある。

 原宿で石を投げればモデルに当たると言われていた時代。A子も売れないモデルだった。事務所に所属しているが、たまにある仕事はチラシ広告のモデル。日当は事務所にマージンを引かれると1万円程度。モデルをきっかけに女優になりたいと願い、夜は芸能関係者との出会いを求めて六本木のクラブでバイトしていた。本業がホステスでバイトがモデルのようなものであるが、「私はモデルよ」というのがお客には受けた。確かにスタイルはバツグンだった。

 事務所から香港映画のオーディションを薦められた。個人的に推薦していたということでいきなり赤坂のホテルの一室に呼ばれたという。2人の男の前で彼らが用意した極小のビキニ水着を着て、歩かされたり、座ったり、さらには開脚と、様々なポーズを取らされ、時には胸やお尻を当たり前のように触ってきたという。仕方なくされるままにすると、「決まり。明日から香港に行こう」と言われた。「怪しい」と悟り、怖くなって逃げ帰ったという。後日、モデル仲間から同じ話を聞いたという。結局、彼女は香港に渡り、プロデューサーと一夜を共にした。それで得たのはB級映画で台詞一言のチョイ役だったそうだ。まさにオーディションという名のセクハラ。

 東映京都撮影所。ヤクザ映画を中心に撮影所が全盛の時代だった。チョイ役でもいいから人気映画に出たいという女優の卵が溢れていた。「みんな出演するきっかけが欲しいのよ。そのためなら多少の我慢はしないと、役なんか回ってこない」と大部屋女優は言っていた。事務所も売り込みに必死だった。オーディションを受ける子も後を絶たない。といっても正式なオーディションではない。個人的なツテで売り込む。来るもの拒まず。むしろ女性は歓迎だった。

 こんな光景を見たことがある。撮影所の一室。何人かの男の前に巨乳系の卵が来た。本人もプロポーションを売りにしているようで白のミニワンピース。

「服を着たままでいいからそのまましゃがんでテーブルの上に胸をのせてみて」の指示。屈んで胸をテーブルに乗せる。自然に脚は広く。後ろからでも前からでもパンチラが拝める。吹き出しそうな格好にも本人の顔からは緊張感が漂っている。横から見ると服の上からでも胸の形がくっきりとわかるのは事実だが、指示した男はスタッフ。プロデューサーが来る前の余暇として楽しんでいただけだった。後にプロデューサーが来ると、彼女の話などほとんど聞かず、当たり前のように服の上からではあるが、いきなり胸とお尻をわしづかみ。

「いいんじゃない。キャバレーのシーンでホステスとして使おう」で決まりである。簡単に出演が決まってしまう。ある女優が笑いながら言っていた。「役もホステスなら、撮影後の宴会も出張ホステスしないとならないのよ。中には個人的な付き合いをする子もいた。そういう子は翌日、いきなり台詞のある役になって顔も大きく映してもらえたりする」

 宴席だったが、セクハラ疑惑のあった映画プロデューサーに聞いてみたことがある。

「映画の世界もセクハラはあるのですか」

 返ってきた答えは、「俺はセクハラなんかしていないよ。俺が寝ていると勝手に女が股を広げて乗っかってくるんだ。中には頼んでもいないのに腰を振ってくる人もいる」と冗談っぽく言っていた。ある種の名言だと思う。

(敬称略)

二田一比古
1949年生まれ。女性誌・写真誌・男性誌など専属記者を歴任。芸能を中心に40年に渡る記者生活。現在もフリーの芸能ジャーナリストとしてテレビ、週刊誌、新聞で「現場主義」を貫き日々のニュースを追う。

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