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【premium限定連載】芸能ジャーナリスト・二田一比古の「週刊誌の世界」

女性から口説かれる、愛されるキャラクター…不倫の天才・火野正平の生き方

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『こころ旅フォトブック』(日本文芸社)

 現在、NHK BSで放送中の「こころの旅」は2011年にスタートした。俳優の火野正平(68)が自転車に乗って日本全国を回る番組で旅と人との出会いがテーマ。子役で芸能界に入り、名脇役として幅広いジャンルで活躍する火野のイメージとはほど遠い番組。火野の起用は「冒険だった。またスキャンダルで騒がれるなど、番組に影響することも考えられるとして当初は不定期だった」とNHK関係者はいう。火野は芸能界で屈指のプレイボーイと言われた男。いかにも健全なNHKの旅番組とはミスマッチ。

 放送記者によれば、「まったく飾らない人で、いつも自然体。俳優特有の威張った感じもないし、人なつこく親しみやすいキャラが意外や大受け。不評だったら即座に止めるか、別の人に替えるかを考えていた」そうだが、余計な心配だった。今や好評で定期番組として人気を博す隠れた名番組になっている。

 決して二枚目ではないが、年を重ねても無邪気な子供っぽさは昔のまま。「あの無邪気さが女性の母性本能をくすぐり夢中にさせた」と芸能関係者は回顧する。

 とにかくモテた。二枚目俳優がモテるイメージの強い芸能界に革命を起こしたと言っても過言ではない。最近のタレントや芸人はモテると言っても、自ら合コンなどに出向き一生懸命マメに口説き落とす。火野とは雲泥の差。火野は女性から口説かれることのほうが多かった。

「女を意識して口説くことはないよ。気がついたら付き合っていただけ。女房は大阪で子供と暮らしているし、特別に不倫を意識したことはないね」という話をさりげなくしていたこともある。

 過去、火野との不倫が報道された人は優に10人は下らない。有名なところでは、小鹿ミキ、新藤恵美ら女優が4人。歌手は2人。他に女優・鳳蘭のマネージャーともあった。すべて共演などがきっかけだった。「今度、ゴハンでも食べに行こう」の延長で付き合う。「二枚目俳優は食事だけでも女性は意識するが、火野なら居酒屋でも付き合える。そんな雰囲気があった」と映画スタッフから聞いた。付き合いも堂々としたものだった。隠れてコソコソと会うこともないから、すぐにマスコミにバレる。今井絵里子と橋本健氏が新幹線で手を繋いで寝ているところを撮られたが、火野と歌手の仁支川峰子が芸能人で最初に新幹線内で仲良く寝ているツーショットを撮られている。それが写真誌に掲載されても、「いい感じの2人」とさほど騒ぎになるとこもなかった。小鹿ミキと半同棲しているとき、何度となく2人を取材した。夫婦のように堂々としていた。喫茶店内で大きな声で喧嘩することもあった。とても芸能人同士のカップルには見えない。2人を見ていると、明らかに小鹿が惚れているのが分かった。

「放っておけないのよね。私が付いていないとこの人、ダメになってしまうようなタイプ」と小鹿は言っていた。

脇役が多く、主役クラスほど稼いでいたわけではない。稼いだ金は大好きな競艇に使う。財力で愛人を持つタイプではなく、金はなくとも女が尽くすタイプ。出会いと別れを繰り返しても、一度たりとも揉めたことはない。別れた女性に恨みを言われることもなかった。別れた女性に男の下半身事情を雑誌で明かされたこともない。「いい想い出」と女性は火野を語る。マスコミの格好のネタになっても逃げ隠れすることもなく、「そのまま好きなように書いたら」とメディアも面食らう対応で沸かせた。一時はワイドショーのマスコット的な存在として、毎日のように番組を賑わした。不倫しても愛された男。火野正平。万人に愛されるキャラが今、NHKの番組で生かされている。最近の不倫するタレントには到底マネできない。

(敬称略)

二田一比古
1949年生まれ。女性誌・写真誌・男性誌など専属記者を歴任。芸能を中心に40年に渡る記者生活。現在もフリーの芸能ジャーナリストとしてテレビ、週刊誌、新聞で「現場主義」を貫き日々のニュースを追う。

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