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町山智浩の「映画がわかるアメリカがわかる」第117回

『この世に私の居場所なんかない』――義憤に燃える介護士が神の戦士になる血みどろコメディ

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『この世に私の居場所なんかない』

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冴えない人生を送る主人公ルースは、不運続きの毎日。そんなある日、一人暮らしの家に空き巣が入り、ノートPCと祖母の形見である銀食器が盗まれた。だが警察は、彼女の不注意ばかりを指摘して、なにもしてくれない。ついにキレた彼女は、近所のオタク青年トニーとともに犯人探しに奔走する。

監督/メイコン・ブレア、出演/メラニー・リンスキーほか。Netflixにて配信。



 すずさんは『この世界の片隅に』で自分の居場所を見つけられたが、オレゴン州ポートランドの介護士ルース(メラニー・リンスキー)は「この世に私の居場所なんてない」と感じ続けていた。

 出勤中のラジオからは、無差別乱射事件のニュースが流れている。犯人が使用したライフルは正規で購入したものだった。この国では銃を持つ権利が認められている。

 病院のテレビでは、デモの中継を映している。警察官がまた丸腰の人を射殺したことに怒っている。それを観た患者が「猿どもめ」と毒づいた。おばあちゃんは「お前らのデカい猿マラをあたしの綺麗なマンコに突っ込まないでよ」とつぶやいて死んだ。遺族は「母の最期の言葉は何でした?」と尋ねるが言えるわけがない。

 スーパーに行けば、客が棚からポテチを落として、気づいてるくせに拾いもしない。バーで本を読んでたら、隣の男がいきなりオチをつぶやいた。家に帰れば庭に犬のフン。もう、ビールを飲むしかない。こんなに太ったのもクソ野郎どものせいよ!

 そのうえ、何者かが家に侵入して、大事なラップトップとおばあちゃんの形見の銀食器を盗んでいった。警察は何もしてくれない。こうなったら私がやる! クソ野郎どもに正義の鉄槌を下す!

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