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連載
『林賢一の「ライク・ア・トーキングストーン」』【28】

もはやひとつのジャンル!【田原総一朗】が見せるトークの妙

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――元放送作家で、現在は脚本家として心機一転活動する林賢一が、生のトーク現場に裸一貫突入! 事務所の大看板・古舘伊知郎を始めとした先達たちが繰り広げるトークライブをレポートする。

『『禅と骨』完成披露 プレミア上映会』

もはやひとつのジャンル!【田原総一朗】が見せるトークの妙の画像1

人物:田原総一朗 日時場所:2017年7月23日 @横浜市開港記念会館

田原総一朗、森達也、中村高寛の3人が「ドキュメンタリーってなんだ?」をテーマに語ったイベントにて、“夕方から生タハラ!”を体感してきた。


 その人が特異すぎて、“その人”自体がジャンルになってしまうことが、ある。私の中では田原総一朗がその人だ。ひとまずは彼をジャーナリストや司会者として分類することはできるが、それだけではあまりにも幅が狭い。1987年から放送が続いている『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)のイメージがかなり強い田原さんは、過去にドキュメンタリー番組のディレクター、劇映画監督、ニュースキャスターとしても活躍しており、これらを簡単にひとつにおさめることはできない。つまりは、田原総一朗というジャンルが存在するのだ。

 そんな田原さんのトークを生で体験すべく、映画『禅と骨』完成披露プレミア上映会後に行われた「ドキュメンタリーってなんだ?」と題されたシンポジウムを聞きにいった。登壇者は田原総一朗さんと、映画監督・作家の森達也さん、そして『禅と骨』の中村高寛監督の3人。トークは作品の上映直後ということもあり、田原さんと森さんが中村監督に質問してゆく形となったが、気がついたら田原さんが実質上の司会となっていた。時刻は15時過ぎ。『朝まで生テレビ!』ならぬ「夕方から生タハラ!」のスタートだ。

『禅と骨』の主人公は日系アメリカ人のヘンリ・ミトワさんという京都の禅僧。田原さんは監督に「作品は面白かった。で、ミトワさんとはどこで出会ったの?」とサラッと聞いて、トークをスタートさせた。この入り方が絶妙だった。自身の感想は「面白かった」とこれ以上なくシンプルにまとめ、映画のきっかけとなった監督と対象者の出会いを確認。これが長年の生放送で培ったトークスタートダッシュの手法なのか、そう思いながらトークを聞いていると、田原さんのもうひとつの特徴が明確になってきた。それはインタビュアーとしての田原さんが相手の話のポイントをきちんと繰り返し、確認することだった。中村監督がAと言ったら、「それはAってことですね」と直後にオウム返しで、その場で確認する。文字面では重複となり無駄にも思えるが、トーク的には必要な挿入であり、ある意味、トークの句読点になっているのだ。この再確認によって、観客は一息つけるし、トークのリマインドにもなり、頭の中で整理する時間が生まれる。このリズムが田原さんには染み込んでいる。

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