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第1特集
ラッパーたちの“自伝空間”【2】

Kダブ、ANARCHY、漢が綴るリアルでヤバいHIP HOP文学! ラッパー自伝のキケンなパンチライン

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――パンチラインとはラップのリリックにおいてとりわけ印象的で優れた一節のことであるが、それはやはり、ラッパーの自伝にも散見されるのだ。

Kダブも!ANARCHYも!漢も!リアルでヤバい名文が潜んでいる!ラッパー自伝のキケンなパンチラインの画像1

■口にしたことは絶対に実行
【1】漢 a.k.a. GAMI

マイクで『刺す』つったよな?
どうすんだ?

『ヒップホップ・ドリーム』/河出書房新社(2015年)

3万部を売り上げた、ラッパーの自伝の最高傑作たる本書の中でも、ひときわ話題となった場面。MCバトル中に相手を「刺す」と言った仲間を漢は問い詰める。漢の率いるクルー・MSCには「リアル・ルール」という掟がある。絶対に嘘はつかない、はずみで口にしてしまったことでも1週間以内に実行すればリアルとなる、というもの。むろん、彼らはこの後ルールに従う。


Kダブも!ANARCHYも!漢も!リアルでヤバい名文が潜んでいる!ラッパー自伝のキケンなパンチラインの画像2

■裁判で問われた薬物売買のリリック
【2】B.I.G. JOE

検察側は僕の罪状認否を問うために、
そのノートを切り札として隠し持っていた
ことになる。まさか自分が書いたリリック
によって崖っぷちに追いつめられるとは、
なんて皮肉なことだろう。

『監獄ラッパー』/リットーミュージック(2011年)

オーストラリアの刑務所で6年間を過ごす中、獄中から日本に国際電話をつなぎ、受話器からラップを録音してアルバムをリリースした(特に「LOST DOPE」という曲は必聴)、文字通り“監獄ラッパー”の自伝。引用部は、彼のノートに書かれたハスリング(薬物売買)についての歌詞が裁判の証拠に挙げられた場面。リアルな歌詞が法的証拠になるという、大きな問題提起を含んだ事例だ。



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