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『クロサカタツヤのネオ・ビジネス・マイニング』第41回

【クロサカタツヤ×角 勝】“不作為”こそ罪 勘違いされたオープンイノベーションのまっとうな始め方

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【クロサカタツヤ×角 勝】不作為こそ罪 勘違いされたオープンイノベーションのまっとうな始め方の画像1
イノベーションに関する国際競争力ランキングの推移(出典:産業競争力会議(第2回)山本大臣提出資料)

猫も杓子も「イノベーション」と言いすぎ手垢まみれになったら、今度は「オープンイノベーション」なんて言いだした。その意味は、企業などの組織の中だけでなく、他の企業や研究機関、消費者と一緒になって、新しいものを作り出そうということ。でも、大企業ほど変われずに苦しんでいるし、お役所も依然として縦割り主義。そんな日本で本当にオープンイノベーションを広げるには、どうすればいいのだろうか?

クロサカ 角さんに初めて会った時は大阪市役所の職員で、その頃から「大阪に、変わった職員がいる」と有名でした。独立されてからは、名だたる大企業のハッカソン【1】アイデアソン【2】を支援されています。僕も仕事で企業の事業開発やオープンイノベーション【3】の取り組みをお手伝いするのですが、実は最近悩んでいます。そこで、今日は対談というよりも、角さんにご相談にきました(笑)。

 日本でオープンイノベーションが注目されている理由って、ものづくりによって経済成長をしてきたのに、その設備産業のアプローチが今の時代には通用しなくなっているからですよね。戦後の日本は、豊かな国アメリカに追いつけ追い越せと真似をしてきた。でも、製造業でアメリカを追い越してからも、日本は同じことを続けている。アメリカのように製造業に代わる新しい産業を生み出せず、一方で製造業そのものは台湾や中国に抜かされている。

クロサカ 日本では「市場が飽和している」と、よく言われます。それなのに「新しいものを作ろう」というのは、よく考えると、とんでもない状況です。市場が飽和してるなら、新しいものを投入すると、もっとあふれ返ってしまう。

 昔は、新しいテクノロジーを手に入れれば、それだけで圧倒的に有利でした。歴史をひもとけば、農耕によって狩猟の時代よりも安定して食料を手に入れられるようになり、人口が増えた。その後、時代が下って産業革命があり、さらにはIT革命・インターネット革命が起こり、テクノロジーのサイクルがどんどん早くなっている。でも、人間のほうの世代交代は遅いまま……というより寿命が延びたことでむしろ昔より遅くなっているくらい。なので、新しいものが出てきても人間のほうが対応できないんです。これまでは、新しい技術で新しい製品を作れば、皆が買った。でも今は、テクノロジードリブンで作ったものが買ってもらえないし、だからそうしたものづくりは行き詰まっている。

クロサカ そのわかりやすい例がスマートフォンですね。これだけ多くの日本人がスマホを使っているのに、多くの日本のメーカーは、その開発や製造に成功していません。今や事業撤退どころか、企業ごと海外に買われかねない状況です。だから、オープンイノベーションに希望を託しているんですね。

 でもね、日本企業は「昔からオープンイノベーションに取り組んでいた」って言うんですよ。実際、大手家電メーカーに「オープンイノベーション推進部」みたいな部署も、昔からあったりして。

クロサカ それって、どういうことですか?

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