>   >   > 河合幹雄の法痴国家ニッポン【55】/【文科省の天下り騒動】有能官僚を“飼い殺す”日本的システム
連載
河合幹雄の法痴国家ニッポン【55】

【文科省の天下り騒動】文科省の天下りスキャンダルに見る有能官僚を“飼い殺す”日本的システム

+お気に入りに追加

法と犯罪と司法から、我が国のウラ側が見えてくる!! 治安悪化の嘘を喝破する希代の法社会学者が語る、警察・検察行政のウラにひそむ真の"意図"──。

文科省の天下り騒動

1705_goku_200.jpg

2017年1月、文科省高等教育局の吉田大輔元局長が、在職中に同省人事課を通じて早稲田大学に履歴書を提出し、退任2カ月後に教授に就任していたことや、同省が同大と隠蔽工作を行っていたことが発覚し、吉田氏は同大教授を辞職、同省の前川喜平事務次官が引責辞任。その後の同省による調査の結果、62件の国家公務員法違反が確認された。


 2017年1月、文部科学省高等教育局の吉田大輔元局長が、同省大臣官房人事課の斡旋により、早稲田大学総合研究センターの教授に就任していたという、同省による組織的な天下りの事実が発覚。同省は調査の最終報告として、計62件の国家公務員法違反を確認したと公表しました。メディアは、同大における吉田氏の給与が年間約1400万円だったことや、仲介役を担った同省人事課OB嶋貫和男氏が、顧問を務めていた明治安田生命保険から月2日の勤務で約1000万円の報酬を得ていたことなど、この問題をセンセーショナルに報じ、世論の反発を煽っています。

 そうした“天下り叩き”はさておき、そもそも今回のケースでは、法的にどこが問題とされたのでしょうか。わが国には、いわゆる“天下り規制法”のような法律が存在するわけではありません。吉田氏が在職中に人事課職員を通して利害関係のある学校法人に対して求職活動を行ったことと、人事課職員が同大に吉田氏の情報を提供するという斡旋行為を行ったこと。この2点が、国家公務員法第106条「在職中の職員は、利害関係企業等に対し、再就職を目的として自己の情報を提供、もしくは情報提供を依頼したり、再就職を要求、約束したりしてはならない」および「職員は、法人に対し、他の職員・役職員・元職員を再就職させることを目的として情報を提供、もしくは情報提供を依頼したり、再就職を要求、依頼したりしてはならない」(条文の一部を要約)という規定に違反するとされたわけです。

 ただし、実質的に今回のケースは、国家公務員法違反というより、むしろ刑法197~198条に規定される賄賂罪(贈収賄罪)に近いといえるかもしれません。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミア

2018年11月号

禁断の家電・ガジェット

禁断の家電・ガジェット
    • テック系企業の【経済地理額】
    • 次世代のテック系【注目都市】
    • 世界を席巻する【アジア家電】
    • 【D.O.I.×BERBAL】安室奈美恵論
    • 【アムロ】を支えたPの本音
    • 知られざる地方【テック企業】
    • 米国【大麻用電子たばこ】産業事情
    • 【星名美津紀】家電とエロス
    • 進化し続ける【アダルトVR】の今
    • 最新【バーチャルセックス】のしくみ
    • 【三代目JSB・山下健二郎】スニーカー愛
    • 【三代目Air Jordan Brothers】選出!
    • 【リバタリアン】生んだネットの終焉
    • 各国【ネット規制】の事件簿
    • 【ゲーム依存】はビョーキか否か?
    • 【モノ雑誌】の「読プレ」豪華番付
    • 【景品表示法】を弁護士はどう見るか

防弾少年団がアメリカを制する日

防弾少年団がアメリカを制する日
    • 今さら聞けない【BTS】基礎講座
    • 数字で見る【K-POP】世界進出
    • BTS支持層【アジア系アメリカ人】の連帯

NEWS SOURCE

インタビュー

連載

    • 【忍野さら】友達の財布に私のトレカを入れるんです。
    • 【小林レイミ】デビュー4年目の初グラビア!
    • 振り返れば【芽衣】がいる
    • 【電力業界】に切り込んだ元フィンテック起業家
    • 【新潮45】を潰したのは誰だ!
    • 【阿波踊り】内紛の実情
    • 【中国】を支配する巨大顔認証システム
    • 【88ライジング】がアジアと米国を繋ぐ
    • 町山智浩/『ブラック・クランズマン』アメリカ・ファーストを謳うのは誰か
    • 政権の利益誘致政策に踊らされる【英語教育】の欺瞞
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子「ドラッグ・フェミニズム」
    • 「念力事報」/黒い水脈
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ研究所」
    • 【おとぎ話みたい】文化系男子が患う恋愛の病
    • ギャング集団に所属するアパレル屋
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • ビールの世界を超越し始めた【職人】
    • ひとりぼっちたちを繋ぐ【薔薇族】の誕生
    • 幽霊、雑誌の去勢と俗物主義の衰退。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』