サイゾーpremium  > 連載  > 法“痴”国家ニッポン  > 河合幹雄の法痴国家ニッポン【54】/【三浦九段不正疑惑】もみ消しと第三者委員会の共通点
連載
河合幹雄の法痴国家ニッポン【54】

【三浦九段不正疑惑】将棋界激震の不正疑惑に見る“もみ消し”と第三者委員会の共通点

+お気に入りに追加

法と犯罪と司法から、我が国のウラ側が見えてくる!! 治安悪化の嘘を喝破する希代の法社会学者が語る、警察・検察行政のウラにひそむ真の"意図"──。

三浦九段不正疑惑

2016年10月、日本将棋連盟が、三浦弘行九段に対し、対局中に将棋ソフトを不正利用したとして公式戦への出場一時停止処分などを発表。渡辺明竜王ら複数の棋士が疑惑を肯定する見解を示す中、三浦九段は潔白を主張し続けた。その後、第三者調査委員会が「不正の証拠はなかった」との調査結果を公表。谷川浩司会長らが辞任するなど波紋が広がっている。

【三浦九段不正疑惑】将棋界激震の不正疑惑に見るもみ消しと第三者委員会の共通点の画像1
『三浦&阿部健の居飛車研究』(マイナビ将棋BOOKS)

「本件疑惑の根拠として指摘された点はいずれも実質的な証拠価値に乏しいものであったといわざるを得ず、三浦棋士が本件不正行為に及んでいたと認めるに足りる証拠はない。(中略)連盟の三浦棋士に対する本件処分は、連盟の連盟所属棋士及び公式戦に対する規律として許容される範囲内の措置であり、やむを得ないものと評価されるべきである」

 メディアを騒がせた、現役トップ棋士による将棋ソフトの不正利用疑惑。2016年12月26日に発表された第三者調査委員会のこの調査報告によって、それまで三浦九段を“クロに近いグレー”とみなしていた人も、ほぼ間違いなくシロ、と考えを改めるに至ったのではないでしょうか。元検事総長の但木敬一弁護士を委員長とする第三者調査委員会が、当事者や関係者だけでなく世間をも納得させるに足る見解を示し、騒動を一応の収束へと導いたわけです。

 この一件のように、企業や官公庁といった組織の内部で背任や横領、パワハラ、セクハラなどの不祥事が起きたとき、その収拾を図る上でカギとなるのは、不祥事発生の事実を知る人のうち、どれだけ多くを“納得”させられるかです。“第三者委員会”の存在意義もまさにそこにある。弁護士や学識経験者ら、その不祥事とは直接利害関係のない任意のプロ集団によって示される見解だからこそ、人々は腑に落ち、結果として騒動が落着するわけです。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2018年12月号

禁断の映画と動画

禁断の映画と動画
    • 【ライブ配信】儲けのカラクリ
    • 【本田翼】もハマるゲーム実況
    • 決定!2018年【邦画ラジー賞】
    • 【アジア系】が逆襲するハリウッド
    • 注目のハリウッド【アジア系俳優】
    • 【片山萌美】ショーガールグラビア
    • 俳優に責任を問う【報道の愚行】
    • 【自主制作映画】の現場からの悲鳴
    • 【小川紗良×堀田真由】映画大討論会
    • Netflix産【ヒップホップ映像】の社会性
    • 傑作【ヒップホップ】動画10選
    • 【ネトフリ×ヒップホップ】作品レビュー
    • 映画・ドラマ【サントラ】の裏事情
    • ネトフリの【麻薬ドラマ】のリアル度
    • 奇想天外【アフリカ】の忍者映画
    • 世界は【忍者】をどう描いたか?
    • 【深夜アニメの劇場版】が儲かる不思議
    • 劇場版アニメに見る【ポストジブリ】争い
    • 【ジャニーズ】がキラキラ映画で失敗する理由
    • 意外と面白い【キラキラ映画】レビュー
    • 【中東情勢の今】がわかる映画
    • 【芸能プロ】に映画監督が所属する理由

"異能作家"たちが語る「文学、新宿、朗読」論

    • 【石丸元章×海猫沢めろん×MC漢×菊地成孔】対談

NEWS SOURCE

    • タッキーも初出場?【紅白&レコ大】芸能行政
    • 【佐伯泰英】がご乱心?作家と遺産問題
    • 【電力自由化】後の不公平な業界構造

インタビュー

    • 【奥山かずさ】ニチアサで躍進した女優の未来
    • 【TENG GANG STARR】新鋭の男女ユニットラッパー
    • 【ガリットチュウ福島】モノマネ芸人、写真集までの歩み

連載

    • 【橋本梨菜】ギャル男をマネタイズしたいんです。
    • 【RaMu】YouTubeで人気の美女が泡まみれ
    • 【ダレノガレ】は突然に
    • 日本の【AI市場】と日本企業のAI導入の真実
    • 【オスカー社員】が大量退社で瓦解!?
    • 祭事的【渋谷ハロウィン】分析
    • 【出前アプリ】を支えるライダーたちの過酷な日常
    • 【フレディー・マーキュリー】の一生
    • 町山智浩/『ボーイ・イレイスド』ゲイの息子と神のどちらを選ぶのか?
    • ジャーナリスト殺害事件で変わる【サウジ】の覇権
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子の「ドラッグ・フェミニズム」
    • 「念力事報」/それがジュリー
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ研究所」
    • 【カーネーション】フェミ論点全部乗せの名作朝ドラ
    • 「俺たちの人生は死か刑務所だ」ギャングの豪快な人生
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 【山陰】でビール造りに励む男
    • 【薔薇族】刊行で去っていく友と、死を恐れぬ編集者
    • 幽霊、紅衛兵たちのアニメ映画興行。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』