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第1特集
「電子」vs「紙」の戦いは終了――雑誌最前線!【3】

雑誌を裏から読む業界コラム【2】・「どうせ終わるんだから、好き放題やれ!」

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大澤聡:近畿大学准教授、批評家。『批評メディア論』(岩波書店)など。

 こちらの記事でもコメントをもらった、雑誌研究者、書店員から、今の雑誌業界について率直に語ってもらった。まずは、近畿大学の大澤聡氏から。

「雑誌の編集に携わっている人に言いたいのは、中途半端に社会適合しても仕方ないのでは? ということ。どうせダメになるのなら、いっそ自分の理想とするマニアックな雑誌を毎回実験的に作ったほうがいい。意外と売れるものが作れるかもしれませんよ。

 雑誌の歴史をひたすら研究してきた僕が言うのだから、そんなに間違った話ではないと思います。そもそも雑誌編集なんて、ずいぶんいかがわしい仕事です。もっと「遊び」の部分がたくさんあって、それ自体が「歴史」につながっていたのが雑誌文化。官僚的で、企業的で、ビジネス的な発想からは小ぢんまりしたものしか生まれ得ないでしょう。

 あと、タイアップ型の特集があまりに多すぎる。確かに、ブームに乗っかるのは企画立案も容易だし、売り上げ的にも確実です。けれども、雑誌が何かの従属物やガイドに特化してしまっては面白くない。初心に戻って雑誌発のムーブメントに期待したいですね」

 続いて某大型書店の雑誌担当者。

「最近、書店営業にいらっしゃる方が減りました。情熱を持って、自社の雑誌を売り込みにくる方は、 ほぼゼロに近い。書店営業を代行会社に頼んだかと思いきや、それもなくなり、 郵便物でポスターだけが届いたりすることも。出版社の営業の方が、ひとりで抱えきれないほどの書店を任されている──そんな背景があるのかも。

 また編集者も、広告主の顔色をうかがったり、日々の作業に追われてばかりの人が多く、その余裕のなさが誌面に表れてしまっている感も否めません。そして、そのことによってないがしろにされているのは、読者なんですよね。

 当たり前のことですが、作り手と広告主ではなく、読み手としっかり握手している雑誌を期待したいです」

 どちらも、雑誌愛溢れるがゆえの叱咤激励。サイゾーも、業界の片隅でもっとあばれていきます!


サイゾープレミア

2017年4月号

悪法の研究――正義と法の歴史学

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    • 歴史で見る【悪法】のトリセツ
    • 【悪法】は司法でどう扱われるか?
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