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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第110回

『スノーデン』――オリバー・ストーンが自身を投影したスノーデンと“父殺し”

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『スノーデン』

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「アメリカ政府が国際的監視プログラムを構築し、世界中の通話やSNSの情報を秘密裏に取得している」。13年6月、英ガーディアン誌によるスクープに、全世界が震撼した。NSAの職員だったエドワード・スノーデンは、なぜ身の危険を冒してまでこの情報をリークしたのか? 愛国者か売国奴か、巨匠オリバー・ストーンがフィクションとノンフィクションを織り交ぜて描く、監視社会の実態とは?

監督:オリバー・ストーン/出演:ジョセフ・ゴードン=レビット、シャイリーン・ウッドリーほか。1月27日全国公開。


 2013年、NSA(国家安全保障局)の職員だったエドワード・スノーデン(当時29歳)が、アメリカ政府が国民の電話やメールを監視するプログラム「プリズム」の存在を暴露し、ロシアに亡命した。スノーデンは良心による内部告発者か、それとも名声目当ての売国奴か、評価は今も真っ2つに分かれている。

 オリバー・ストーン監督の映画『スノーデン』に対する反応も、賛否両論にはっきり分かれた。映画批評家には概ね好評だが、政治やサイバー・セキュリティ方面のジャーナリストは事実と違う点を疑問視している。

 映画では、スノーデンは9・11テロの後、アメリカをテロから守るために陸軍に志願するが、訓練中の事故で脚を骨折して除隊。コンピュータ技術を国防に生かそうとCIAに入り、後にNSAのハッカー部隊で中国のサイバー・アタックと戦う。だが、実際の彼は、NSAと契約するDell社のシスアドにすぎず、諜報活動には従事していなかった。

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