>   >   > 【こじらせ女子マンガ】の功罪

――ネット上に「こじらせ女子マンガ」をリスト化した記事が多数あるが、なかでもアラサー女性からの支持が厚いのが、ドラマ化もされた『東京タラレバ娘』だ。ただ、この手の作品をどこか近寄りがたく感じている男性もいるはず。そんな諸兄のために、本誌で「オトメゴコロ乱読修行」を連載する稲田豊史氏や百戦錬磨のナンパ師が、こじらせ女子マンガを斬る!

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こじらせ女子マンガの代表格とされている東村アキコ『東京タラレバ娘』(講談社)。

 吉高由里子主演でドラマ化された『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)。東村アキコによる同タイトルの原作コミック(講談社)は、1月13日に第7巻が発売され、現在も連載中である。

 33歳の独身で売れない脚本家・鎌田倫子とネイリストの香、居酒屋の看板娘の小雪は、“女子会”と称して酒をあおっては、「痩せたら」「好きになれれば」といったタラレバ話でくだを巻く。酔った勢いのセックス、不倫、結婚への打算など一筋縄ではいかない彼女たちの恋模様と、しばしば挟まれる「世の中の女は2種類に分けられる 妥協できる女と妥協できない女 どうやら私はできないほうの女らしい」(4巻)、「平凡だけど幸せな家庭を作る普通の未来 でも私達からすればその普通がもはや奇跡なんだっつーの」(5巻)などアラサー女性の胸の内が、「リアル」「心に刺さる」「痛い」と同世代女性の支持を得ている。

「このマンガがすごい!WEB」では、「『彼氏いない歴=年齢』からの卒業!? “こじらせ女子”マンガベスト10」と題し、同作品を第1位に挙げて紹介(2014年12月18日付)。出版元の講談社のサイト「コミックプラス」でも「【閲覧注意】心に死亡フラグ『こじらせアラサー漫画』に超共感!」として筆頭で紹介している(16年5月6日付)。

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ネット上などでこじらせ女子マンガと呼ばれている作品群。だが、正確にはこじらせていない作品も!?

『セーラームーン世代の社会論』(すばる舎リンケージ)の著者であり、本誌で「オトメゴコロ乱読修行」を連載しているライターの稲田豊史氏は、次のように語る。

「“こじらせ女子”を“非モテの文化系女子”くらいの意味で捉えている人やメディアも多いのですが、故・雨宮まみさんの著書『女子をこじらせて』(ポット出版)の定義に従うなら、世の中が求める“女子的なふるまいや役割”を受け入れられなくて、生きづらさを感じている女性のことですよね。つまり非モテ女子が主人公であっても、本人が迷わず我が道を行っていれば、こじらせ女子マンガといえないのでは。逆に『タラレバ』の3人はまったくモテないわけではなく、それなりに男からのニーズがあることを自覚していながら、“男が求める理想的女子”を演じられない、行き場を失っているという点で、直球のこじらせ女子マンガでしょうね。特に1~2巻あたりは、迷いに迷った末に絞り出した彼女たちの魂の叫びが、名言集のようになっている。その切実さが多くの女性たちの心を捉えたのでは」

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