サイゾーpremium  > 連載  > 更科修一郎の「批評なんてやめときな?」  > 更科修一郎の「批評なんてやめときな?」
連載
更科修一郎の「批評なんてやめときな?」【20】

ライブも野外フェスもおっさんばかり――幽霊、転がる石は老いぼれの髑髏か。

+お気に入りに追加

――ゼロ年代とジェノサイズの後に残ったのは、不愉快な荒野だった?生きながら葬られた〈元〉批評家が、墓の下から現代文化と批評界隈を覗き込む〈時代観察記〉

1701_sarashina_200.jpg
その元担当編集がかかわっているらしい本。なるほど、ロックとアニメはおっさん世代共通の病だとよく分かる。

 本誌の特集は、Hi-STANDARDの新譜がチャート1位の件でパンクのおっさん化/若者のパンク離れ、とのことだが、筆者もムーンライダーズの「活動休止の休止」ライブに8000円払ったばかりなので、他人のことは言えぬ。もっとも、1万2000円の特別席はさすがにどうか、と思う程度にはケチなのだが、「クラシックロックアワード2016」のペイジ&ベック共演の噂に30万払ったブルジョアなおっさんたちは肩すかしを喰らってガチ怒りしているし、最近は野外フェスもカラ元気なおっさんばかりだ。フジロックが始まったのは19年前だから、当時の若者たちがそのまま年を取れば、そうなるのは当然なのだが。

 筆者はムーンライダーズのライブに四半世紀通っているが、25年前の時点で既に日本語ロックバンドの最古参組だったから、ずっと変わらず若いほうの観客だ。近年、自分より若かったのは、たぶん初音ミクとのコラボトリビュートで知ったボカロ好きの若者くらいだ。かくいう筆者も、TVKのミュートマや、ファミコンの『MOTHER』や、わかつきめぐみの少女マンガで存在を知った口なのだが。そういう外部……若者文化からの回路がなければ、同時代性がなくなったバンドにわざわざ新規の客が入ってくるわけがないし、古参ファンも青春期の嗜好と感覚のままおっさん化していく。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2018年12月号

禁断の映画と動画

禁断の映画と動画

"異能作家"たちが語る「文学、新宿、朗読」論

    • 【石丸元章×海猫沢めろん×MC漢×菊地成孔】対談

インタビュー

連載

    • 【橋本梨菜】ギャル男をマネタイズしたいんです。
    • 【RaMu】YouTubeで人気の美女が泡まみれ
    • 【ダレノガレ】は突然に
    • 日本の【AI市場】と日本企業のAI導入の真実
    • 【オスカー社員】が大量退社で瓦解!?
    • 祭事的【渋谷ハロウィン】分析
    • 【出前アプリ】を支えるライダーたちの過酷な日常
    • 【フレディー・マーキュリー】の一生
    • 町山智浩/『ボーイ・イレイスド』ゲイの息子と神のどちらを選ぶのか?
    • ジャーナリスト殺害事件で変わる【サウジ】の覇権
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子の「ドラッグ・フェミニズム」
    • 「念力事報」/それがジュリー
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ研究所」
    • 【カーネーション】フェミ論点全部乗せの名作朝ドラ
    • 「俺たちの人生は死か刑務所だ」ギャングの豪快な人生
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 【山陰】でビール造りに励む男
    • 【薔薇族】刊行で去っていく友と、死を恐れぬ編集者
    • 幽霊、紅衛兵たちのアニメ映画興行。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』