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大石始のマツリ・フューチャリズム【7】

日本から遠く離れた東南アジア・マレーシアで開催される盆踊り! 潜在的憧憬が生む熱狂の渦を見た

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――21世紀型盆踊り・マツリの現在をあらゆる角度から紐解く!

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会場となったマレーシアの首都クアラルンプール郊外に位置する「シャー・アラム・コンプレクス・スカン・ネガラ」は、日本のパナソニックが寄付したスタジアム。(写真/ケイコ・K・オオイシ)

 盆踊りが海外でブームとなっている。そう聞くと、海外在住の日本人と、その家族による手作りの盆踊りを想像する人もいれば、各地の日系人たちが自身のルーツを見つめ直し、子供たちに伝搬していこうというアイデンティティ確認型の盆踊りを連想する人がいるかもしれない。だが、今回取り上げるのはそのどちらでもなく、現地の人々、それも若者たちが中心となって盛り上がりを見せている〈ボン・ダンス・カルチャー〉の急成長を紹介したい。

 昨年9月、マレーシアの首都クアラルンプールで開催されている「クアラルンプール盆踊り」を取材した。主催は現地の日本人会。70年代から続く(海外のものとしては)歴史ある盆踊り大会だが、00年代以降に来場者数が急増し、現在では3万人以上の人々が訪れる巨大な催事となった。しかも来場者の90パーセント以上がマレーシア人で、10~20代の若い男女が中心となっているのも特徴だ。

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