>   >   > 【医療用大麻】の"正しい"論じ方

――参院選で「医療用大麻の解禁」を訴えた後、大麻所持の疑いで逮捕された高樹沙耶。それを受けて、大麻の医療的効果を全否定するタレント医師。しかし、どちらの主張もレベルが低い!? 医療用大麻が多くの州で合法化されているアメリカでの論じられ方や医学的研究を参照しながら、日本における議論の問題点をあぶり出したい。

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高樹沙耶が逮捕されたことを受けて、医師・タレントの西川史子はテレビ番組で「医療用大麻なんてない。ダメなものはダメ」と断言した。この女医の主張は果たして正しいのか?

 去る10月25日、元女優の高樹沙耶(本名:益戸育江)が、沖縄県石垣島の自宅に大麻を隠し持っていたとして大麻取締法違反の疑いで逮捕された。高樹は今年7月の参院選に出馬した際に「医療用大麻の解禁」を公約に掲げたことなどから、主にネット上では「やっぱりか」「結局、自分が吸いたかっただけなんじゃ?」といった声も聞かれた。加えて、彼女の“ナチュラリスト”としての先鋭的な言動や、石垣島で4人の男性と共同生活を送っていた私生活も槍玉に挙げられることになったのだ。

 しかし、今や大麻合法化は国際的な潮流である。アメリカでは90年代後半から医療用大麻を容認する州が徐々に増え、先の大統領選に合わせて行われた住民投票では、カリフォルニア州など4つの州で嗜好目的の大麻の合法化も可決。つまり、全米50州のうち28州とワシントンD.C.で、医療用または嗜好用(もしくは両方)の大麻が合法化されている。

 そうした状況にあって、日本の大麻をめぐる議論はあまりに稚拙ではないか──。本稿では、医療用大麻の歴史と現在について考察したい。

「今、日本で医療用大麻解禁を訴えている人たちは、60年代後半に勃興したカウンター・カルチャーの中で、ヒッピーたちが『大麻は神様が与えてくれた植物』とありがたがっていた感覚をそのまま引きずっている感じがします」

 そう語るのは、薬物事件を専門に扱う弁護士の小森榮氏。アメリカではカウンター・カルチャー旋風の渦中である70年頃から医療用大麻をめぐる議論が起こり、今日まで膨大な研究がなされたという。さらに、医療用大麻自体の歴史は19世紀までさかのぼる。

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