>   > "最後"の【春画】物語
第2特集
春画、不幸なる近現代史【2】

【春画の近代史01・幕末~明治初期】“最後”の春画――江戸が終わり、春画衰退せり

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文久年間(1861~64年)頃『浮世源氏五十四帖』恋川笑山
幕末に活躍した浮世絵師、恋川笑山は、同時期に活躍した戯作者、柳水亭種清であろうとされている。幕末の文久年間頃の作品とされる本作は、『源氏物語』をモチーフとし3巻より成る『浮世源氏五十四帖』中巻のなかの1枚。この『浮世源氏五十四帖』は、多くの絵師によって描かれたモチーフである。(国際日本文化研究センター所蔵)

 時代は幕末。ビジネス規模の巨大さを背景に隆盛を誇った春画も、時代の混乱期を迎え、衰退の一途をたどる。明治を迎える前に、すでに春画は“廃れ”つつあった。

 享保の改革、寛政の改革と並び江戸時代の三大改革のひとつといわれる天保の改革(1841~1843年)で春画は厳しく取り締まられ、状況が大きく変わった。京都市にある国際日本文化研究センター特任助教の石上阿希氏は次のように解説する。

「享保、寛政の両改革等でも春画は取り締まりの対象となってはいましたが、社会に力があったのですぐに盛り返しました。しかし、天保以降は明治が見え始めた時期であり、社会的にも経済的にも混乱のただ中、すでに春画も衰退期を迎えていた。よって天保の改革は春画にとって最後の大きな打撃となりました。同時期に、歌川国貞や歌川国芳など、天保期の春画を牽引していた絵師たちも手を引き、ごく一部の絵師だけが春画を担う状況になってしまったのです」(石上氏)

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