>   > フィクションと【アスペルガー】

――本特集では、現実社会における“アスペルガー・ブーム”の功罪を読み解いてきた。そうした状況下で、現実を反映してつくられるフィクションの世界でも、この“ブーム”は起きているようだ。アスペルガーらしき人物が登場するフィクションは、どう読まれるべきなのか――?

1612_2tokubk2s.jpg
『「劇場版 ATARU」OFFICIAL BOOK~N・A(NAKAI×ATARU)ビジュアルワールド~』(角川マガジンズ)

 近年、映画や小説でも作中に発達障害を思わせる人物が登場するケースをよく目にする。例えば今年の上半期に芥川賞を受賞した『コンビニ人間』【1】は、主人公・古倉恵子の振る舞いがアスペルガーの特徴と一致するという声は読んだ人の間で数多くささやかれていたし、映画『ソーシャル・ネットワーク』【2】でも、主人公のマーク・ザッカーバーグ(フェイスブック創業者)の描かれ方が極めて発達障害的だと映画評においても指摘されていた。あるいは、人気の海外ドラマ『SHERLOCK』【3】では、ワトソン博士がホームズのことをアスペルガーではないか、と指摘するシーンが描かれる。もしや、フィクションの世界においても“アスペルガー・ブーム”が起こっているのだろうか? 現役精神科医であり、『精神科医が読み解く名作の中の病』(新潮社)の著者でもある岩波明氏に話を聞いた。

「確かに国内国外問わず、そういった作品はこの10年くらいで増えたように感じます。私も『名作の中の病』の中で、世界的ベストセラーとなったミステリー小説『ミレニアム』【4】と、2011年に太宰治賞と三島由紀夫賞を受賞した小説『こちらあみ子』【5】を、登場人物に発達障害/アスペルガー症候群の特徴が見られる作品として取り上げました」

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

サイゾープレミア

2017年2月号

過激な「マンガ」読本

過激な「マンガ」読本

"経済予測記事"はなぜハズれるのか?

    • 【経済予測記事】はご都合主義?
    • 経済学者が語る【金融緩和バトル】
    • 経済誌【制作の舞台裏】

カルチャー化する"メンヘラ"の謎

カルチャー化する
    • 【青山ひかる】が病みかわコス!
    • カジュアル化する【病み】
    • 【松永天馬】が語るメンヘラ

インタビュー

連載

    • 【平嶋夏海】もう少し遊びたかったんです。
    • 【山崎真実】Dカップの無為自然
    • MoeにKoiする5秒前
    • 大統領選を揺るがした【フェイクニュース】
    • 迫りくる教育の【2020年問題】
    • 高須基仁の「全摘」
    • 人はなぜ【忘年会】を開くのか?
    • 南米のマツリ・ダンス文化
    • 哲学者・萱野稔人の「"超"哲学入門」
    • 月刊カルチャー時評/『真田丸』
    • 【ア・トライブ・コールド・クエスト】黒人音楽の常識を変えた!
    • 【恒例運転者事故続発】誤ったイメージ醸成の理由
    • 町山智浩の「映画でわかる アメリカがわかる」
    • 『男子の生き様』俳優・宮城紘大
    • 増える依存症と経営赤字【カジノ法案】の真実
    • 小原真史の「写真時評」
    • 「念力事報」/プーチン最強伝説
    • ジャングルポケットの「アダルトジャングル探検録」
    • 【紙の月】女の正義は状況や気分によって容易に更新される
    • 磯部涼の「川崎」
    • アメリカにはない【日本のSM】
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 更科修一郎の「批評なんてやめときな?」
    • 花くまゆうさくの「カストリ漫報」