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写真時評~モンタージュ 現在×過去~

公園都市広島の空虚

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笹岡啓子「PARK CITY」(2001~09年撮影)より。

 5月27日、アメリカ大統領による戦後初の広島訪問が行われた。2009年のプラハ演説以降、かけ声だけで核兵器の削減に成功しなかった任期切れ間際の大統領が、花道を飾るべく行った自己陶酔的で空疎なパフォーマンスにしか見えなかったが、安倍政権の支持率は一時的に上がり、直後の世論調査でも「よかった」と答えた国民が90%を超えたという。原爆による犠牲者の数が、アメリカの公式見解だった7万人以上から10万人以上に上方修正されたとはいえ、予想通り謝罪はなく、原爆投下は厄災として文学的に表現され、人類共通の課題として位置づけられた。政治的空間としての機能を十全に果たした広島平和記念公園において、日米同盟の強固さが誇示されたと言えるだろう。ジョン・ダワーはアメリカによる占領を「抱擁」と表現したが、原爆を投下した国の大統領に爆心地の公園で「和解」を演出すべく抱擁されたのは、ほかならぬ被爆者だった。

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