サイゾーpremium  > 特集  > エンタメ  > 【FSD】を腐った目線で観る!

――『フリースタイルダンジョン』の人気は、今やヒップホップに興味がなかった人をも惹きつけている。その筆頭格が、二次元系のオタクや腐女子だ。本稿では、日本語ラップを聴きつつオタクでもある方々と、ヒップホップの素養はないが『FSD』に萌えている方に集まってもらい、オタク目線での面白みを語り合った。

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YouTubeでの全編公開が『FSD』人気に寄与していたが、残念ながら5月10日で配信が終了。

A:日本語ラップリスナー歴10年・腐男子
B:日本語ラップリスナー歴15年・オタク男性
C:日本語ラップリスナー歴10年・腐女子
D:非ラップファン・腐女子

A 最近ネットで、腐女子やオタクの人が『フリースタイルダンジョン』(以下、『FSD』/詳細は本特集冒頭参照)にハマってるのを見ることが増えましたね。僕は日本語ラップも好きだし、アニメやBL【※1】含めマンガも好きだから、両者が交わりつつあるのがうれしいです。

B 皆、アニメを観る感覚でハマっているんじゃないかな。一昔前まではネットだと「ラップは親に感謝ばかりしてる」という揶揄も多かったし、自分自身オタク友達に「俺クラブ行ってる」と言ったら「ナンパしてるの?」みたいになることも多かった。その後、ゼロ年代後半に「ニコラップ」のようなネット発のラップが注目されたりして、だんだんオタクの中でも日本語ラップやヒップホップが“アリ”になってきた記憶がある。でも本来のヒップホップファンの中では、ニコラップは認められてない空気もあった。

C 昔はヒップホップファンの前で、オタクや腐女子をカミングアウトなんて絶対できなかった。でも今は、ヒップホップファンで「アニメ見てます」という人も増えてるし、『FSD』に出ているACE【※2】くんもアニメ好きを公言してますよね。双方の文化が徐々に近づいてきて『FSD』が決定打になったんじゃないでしょうか。周りの腐女子も、『弱虫ペダル』や『ハイキュー!!』【※3】みたいな、スポーツマンガと似た感覚で『FSD』を楽しんでいる感じがあります。

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『FSD』放送第19回にも登場したGOMESS。その異色のキャラクターで、NHKの『ハートネットTV』に取り上げられた。画像はアルバム『あい』より。

D 私はもともとヒップホップのことは全然知らなかったんですが、『高校生RAP選手権』(以下、『高校生~』)をたまたま観て、GOMESS【※4】くんに萌えたんです。全然ヒップホップをやりそうなルックスじゃないのに、どんどん勝ち進んでいくのが面白くて。それで気になって調べたら、「GOMESSとニガリ【※5】の関係性まとめ」みたいなネット記事を見つけたんです。ニガリくんはGOMESSくんに憧れて『高校生~』に出て、一度戦った上で仲良くなった。その2人が河原でじゃれ合いながらラップを披露する動画を観て、「これはヤバい」と。『高校生~』も『FSD』も、出てくるラッパー同士のライバル関係や先輩後輩という関係性がわかりやすくて、『ASAYAN』やジャニーズJr.を観てるノリで楽しめるんですよね。

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