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写真時評~モンタージュ 現在×過去~

福島菊次郎の遺言(上)

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発作に襲われ苦しむ、被爆者の中村杉松さん。(写真/福島菊次郎/共同通信イメージズ)

 昨年9月、写真家の福島菊次郎が他界した。94歳だった。戦後日本の政治社会に警鐘を鳴らし続けてきた写真家として知られているが、本格的に写真の道に入ったのは42歳と遅咲きだった。戦中派の福島は、1944年に広島の部隊に入隊するも訓練中に骨折し除隊、翌年再召集され、7月に特攻隊員として九州の日南海岸に配属されたため、そこで8月15日を迎えて命を拾った。広島の爆心地近くにあった原隊は全滅したという。

 その後、郷里の山口県で時計屋や写真現像の仕事をしながら、50年代初頭から戦争孤児や広島の被爆者の写真を撮影し始めた。民生委員として生活困窮者の実態を眼にしたことがきっかけだった。61年に上梓した写真集『ピカドン――ある原爆被災者の記録』は、重い原爆症に苦しむ漁夫・中村杉松さんの一家を10年以上取材したもので、撮影も過酷を極め、自身も精神病院への入院を余儀なくされた。

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