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丸屋九兵衛の音楽時事備忘録「ファンキー・ホモ・サピエンス」【31】

【パフ・ダディ】敏腕裏方かダメラッパーか 出たがり社長伝説の20年! 

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『MMM』

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Puff Daddy & The Family (発売元:ソニーミュージック)
いくつもの改名を経てアーティスト・デビュー当時の「パフ・ダディ」名義に戻り、ファンへの感謝としてフリーで発表したアルバムだったが、「無料で手に入るが、みんなが買いたいと言っている」との理由で、新曲を加えて有料リリース。なじみのリル・キムから新人ギズルまで、いつも通りのゲスト満載&豪華仕様だ。

 ワシは今でも、時折1995年の事件を思い出す。その事件というのは、米ヒップホップ雑誌「The Source」が主催した「Source Awards」という式典での問題発言だ。

 発言の主は、N・W・Aの伝記映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』でも邪悪な存在感を放つ暴力社長シュグ・ナイト。曰く、「自分のところの社長が出たがりで困っているアーティストは、ぜひうちのレーベルに来てください」。

 この発言を真に理解するためには、シュグ・ナイトという人物の恐ろしさや、当時の米ヒップホップ界における東西対立ムードというものも知っておかねばならないが、説明はまたの機会としよう。

 とにかく、シュグ・ナイトの発言に会場は騒然となったものだ。彼が出たがり社長と挑発した相手は、ショーン・コムズ。またの名を、パフィ、パフ・ダディ、P・ディディなどなど。今回の主役はその彼だ。

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