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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第97回

『スポットライト』――地元紙が暴いたカトリック司教の性的虐待と“罪と罰”

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『スポットライト』

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2002年12月、ボストン地元紙の記事が全世界に衝撃を与えた。「カトリック神父が、性的虐待を行っている」──。きっかけはひとつのコラムだった。地元の神父による未成年信者への性的虐待が発覚するも、示談となり、裁判記録も消滅。これに疑問を持ったのが、ユダヤ系の新編集長。やがて取材が進むにつれ、事件を隠蔽したカトリック教会の実態が明らかに……。

監督:トーマス・マッカーシー/出演:マイケル・キートン、レイチェル・マクアダムスほか。16年4月、日本公開予定。


「このコラムを読んだかい?」

 2001年7月、ボストンの地元紙グローブの編集長に赴任したマーティ・バロン(リーヴ・シュレイバー)は新しい部下たちに尋ねた。

 彼が指さしたのは、ボストンのカトリックの司教が未成年信者への性的虐待で訴えられたが……という小さなコラムだった。被害者とは示談になり、裁判所は事件の記録を封印したと書いてある。

「封印なんておかしいと思わないか?」

 バロンにそう聞かれて、地元ニュース欄「スポットライト」のデスク、ロビーことウォルター・ロビンソン(マイケル・キートン)は戸惑った。ボストニアンにとってカトリック教会を疑うなんてあり得ないことだったからだ。市民の2人にひとりがカトリック信者で、スポットライト班も全員カトリックとして育った。だが、新編集長のバロンはフロリダ生まれのユダヤ系だったので、素朴な疑惑を抱いたのだ。

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