サイゾーpremium  > 限定  > オヤジ系雑誌でヌードを披露、SM映画にも...
ニュース
【premium限定連載】芸能評論家・二田一比古の芸能ゴシップ今昔物語

オヤジ系雑誌でヌードを披露、SM映画にも出演! 謎の美女「祥子」がパクった「柳葉敏郎」「叶姉妹」的売り出し方

+お気に入りに追加

――数々の芸能スクープをモノにしてきた芸能評論家・二田一比古が、芸能ゴシップの“今昔物語”を語り尽くす!

1503danmitsus.jpg
『私の奴隷になりなさい 壇蜜写真集 濃蜜』(角川書店)

「祥子」なる女性が話題になっている。週刊誌のグラビア連載で「謎の美女」として登場。ヌードで話題になるやいなや、それをまとめた写真集を出版。さらにSM映画に主演するという。まさにとんとん拍子。

「昔は新人の子は正攻法で売り出したものです。地道にマネージャーがテレビ局などに宣材写真やプロフィールを持って頭を下げて営業して歩いた。例えば、新人歌手の売り出しになると宣伝費用などで年間一億円ぐらいかかったほどです。それでも売れれば一億円なんて安いものです。何十倍にもなって返ってくるのですから。その一方、正攻法ではなく、仕掛けを作る宣伝方法もありました。それが今回の祥子のように週刊誌とのコラボをしたりして、『口コミ』を狙った作戦で、タレントの適性に合わせて行われていたものです」(某芸能プロ幹部)

 80年代に柳葉敏郎や哀川翔らを中心にしたパフォーマンス軍団「一世風靡セピア」も口コミを狙った作戦だった。渋谷の街なかで歌い踊り、「なんだ、あの素人集団は」といった若者の声が広がり、やがてメディアが取り上げ、メジャーの仲間入りを果たした。

「要するに謎めいていればいるほど世間の関心を呼ぶ。プロレスブームの時、覆面レスラーに人気があったのと同じ。強い覆面レスラーが現れると、誰もが"何者だ"と興味を持つ。必然的に覆面に隠された顔を見たくなる。すると、対戦相手が覆面を剥ごうとするが、ぎりぎりのところでストップ。このように、まず謎を作る。ブームになったらその正体を小出しにするというやり方。芸能人も同じ方法を取るケースがある。柳葉はすでに劇団に所属していた役者だったのですから、売るための"方法"としてセピアでパフォーマンスを見せていたんでしょう。今、彼が役者として活躍しているのも、劇団時代に役者としての訓練を受けていたからです。一世風靡セピアの活動の後、原宿に竹の子族という踊りの集団が出現。ニュースにも取り上げられるほどでしたが、そこからも芸能界に進出する者が現れたほどです」(テレビ関係者)

 記憶に新しいところでは叶姉妹もそうだろう。姉妹も女性月刊誌に読者モデルとして登場。「この凄いプロポーションの姉妹は何者?」と話題になると、テレビが取り上げるようになり、その後、タレントにまでなった。壇蜜も然り。週刊誌のグラビア公募企画に応募して採用されたのがきっかけで、芸能プロの目に留まり、今やマルチな活躍をしている。

「グラビア全盛期は巨乳から始まりヘアヌードと続きましたが、ブームが去ると巨乳もヘアも食傷気味になった。そこに現れたのが壇蜜。基本はTバック姿ですが、特に巨乳でもないしヘアを見せるわけでもない。長い黒髪に日本人らしい体型が昭和らしく懐かしく感じ、若い人だけでなく昭和を知る年配の方にもウケた。時世に合わせた企画力はいつの時代も大切なことです」

 壇蜜の謎めいた部分も関心を呼んだ。

 だが、謎を作って売り出す方法はうまくいけばハイリターンもある一方で、リスクを負うこともある。「出る杭は打たれる」が芸能界の決まり事。突然出てきた謎めいた人はやがて素性を調べられることになる。叶姉妹などはその典型だった。詳細は省くが、週刊誌などがこぞって二人の素性を暴き出し大騒ぎになったこともあった。

「昔、キャバクラにいたとか、高校生時代はヤンキーで暴走族に入っていたなどという話が露呈することもありましたが、今は個人情報保護法案もあり、なかなか過去を暴くことはできなくなっています」(写真誌記者)

 そんな過去の事例を芸能界は生かしている。

「壇蜜も祥子も過去の話が話題になる前から自らの話をしている。壇蜜は銀座でのホステス経験や彼氏との同棲のことまで話していて、これでは週刊誌も過去を暴きようがない。祥子も対談企画で年上男性とのエッチのことまで話をしています。変に隠せば週刊誌がスキャンダラスに報じることがわかっているから事前に手を打っている。頭のいいやり方です」(芸能関係者)

 まさに先手必勝。先に謎を見せて話題を作って世間に認知させる。話題沸騰直前で正体を明かす。芸能人もあの手この手で時代に合った売り出し方をするようになった。

「芸能界はアイデア。昔ながらの売り方をするのは正統派の役者と歌手。俗にタレントと呼ばれる人はいかにアイデアをめぐらせて売り出すかです。たとえ短期間でも売れたら勝ち。それが芸能界です」(芸能プロ幹部)

 次はどんな謎を秘めた子が現れるのだろうか?

ふただ・かずひこ
芸能ジャーナリスト。テレビなどでコメンテーターとして活躍するかたわら、安室奈美恵の母親が娘・奈美恵の生い立ちを綴った「約束」(扶桑社刊)、赤塚不二夫氏の単行本の出版プロデュースなども手がける。青山学院大学法学部卒業後、男性週刊誌を経て、女性誌「微笑」(祥伝社/廃刊)、写真誌「Emma」(文藝春秋/廃刊)の専属スタッフを経て、フリーとして独立。週刊誌やスポーツ新聞などで幅広く活躍する。現在は『おはようコールABC』(朝日放送)、『今日感テレビ』(RKB毎日放送)などにコメンテーターとして出演。


Recommended by logly
サイゾープレミアム

2024年5月号

NEWS SOURCE

サイゾーパブリシティ