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【premium限定連載】芸能評論家・二田一比古の芸能ゴシップ今昔物語

元柔道家・篠原信一、元フィギュア選手・織田信成はなぜ人気? “タレント”なる芸能界最大の「副業」の謎

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――数々の芸能スクープをモノにしてきた芸能評論家・二田一比古が、芸能ゴシップの“今昔物語”を語り尽くす!

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『柔道の教科書―いちばんわかりやすい!』(土屋書店)

 芸能界に属する人たちを分類すると、「俳優」「歌手」「芸人」そして「タレント」となる。

 俳優、歌手、芸人はわかりやすいが、タレントの定義は漠然としている。辞書を引くと「天賦・才能」という意味もあるが、一般的には「テレビ、ラジオに出演する芸能人」と認識されている。

「昔はタレントと呼ばれる人は少なく、芸能人といえば、芝居するか歌うか、落語や漫才などお笑い芸を見せる人だった。それが芝居もしないし歌も歌わない、お喋りだけでテレビ番組が成立するようになり、俗に『タレント』と呼ばれるような人が増えていった。そのタレントも増殖するに従い、バラエティタレントやひな壇タレントと細分化されていき、今では"ママタレ"と呼ばれる人も現れ、子どもを産んでから芸能界に戻ってくる女性の受け皿までできている。テレビ番組の多様化が多くのタレントを産んできたのです」(ベテランテレビ関係者)

 タレントにもいろいろいる。もっとも多いのが、本業は歌手や役者、芸人だが、タレント業をこなす人。最近は、どっちが本業かわからない人も多い。その最たる人が和田アキ子だろう。

「歌のうまさは歌手の中でもトップクラス」と言われながらも、若い人の間では「紅白」で歌っている姿を見て、「この人、歌手なんだ。お笑いの人だと思っていた」といわれることもある。最近、妻・三船美佳との離婚問題で騒がれている高橋ジョージも本当はロックミュージシャン。テレビでは彼が歌っている姿は昔の映像でしか見られないが、今も歌手は続けている。したがって彼の肩書きには「歌手でタレント」とつく。芸能プロ関係者の話。

「誰もが本業だけで続けていくのが理想。バラエティ番組は空き時間とか、新曲の宣伝を兼ねて出演する。ところが、なかなか歌や芝居一本で続けるのは大変。役者なら亡くなりましたけど高倉健や吉永小百合ぐらい。歌手だと高橋真理子や安室奈美恵といった人は本業一筋。ただ、演歌歌手は別。演歌は売れなくとも歌だけで地方回りをこなせば、それなりに稼げるものです。ほとんどの人は結局、歌や芝居だけでは稼げなくなって、タレント業に進出する。新たな才能もあった、といえば聞こえはいいですが、稼ぐための苦肉の策ともいえます」

 タレント業の基本は「喋り」にある。「喋り」が上手い人なら素人でもいくらでもいるが、名前が売れていることが大前提。元歌手、役者、モデルなどは世間一般に認知されているからテレビからもお呼びがかかる。最近は一時、出産や育児で休業していた復活組もいる。今やタレント界は激戦区となっている。

「えっ、この人が喋るとこんなに面白いの」と思わせることが息長く続けられるコツだという。その典型が元スポーツ選手たち。泣き顏で売れた元スケート選手の織田信成。最近では長身に巨体、強面の顔で柔道日本代表だった篠原信一。「あんな怖そうな顔してやることはお茶目で可愛い」と茶の間の人気者になっている。テレビ関係者の話。

「要はギャップがあればあるほど面白い。単にスポーツ界で人気があったとしても、話もやることもなんのギャップもなければ面白くない。ギャップがない人は話す内容で関心を持たせなければならない。それが私生活の話です。トレンディー俳優だった石田純一がその第一人者ですが、あるいは夫婦セット売りもある。北斗晶・佐々木健介の元レスラー夫婦も、北斗の"鬼嫁"というキャラが受けている。仮に演出だとしても、本物っぽく見えるから、CMにまで起用されるようになった。最近多くなったオネエキャラの人なんか、そのキャラだけで面白いから重宝される。超売れっ子のマツコデラックスなんか、オネエキャラの中でも際立っている。なにせあの体型ですからね。それでいて毒舌という芸を持つから面白い。タレントはこうあるべきという見本みたいな人です」

 芸能プロにとってはいかにキャラが立ち、面白いスポーツ選手や他のジャンルから人を発掘するかが課題だ。

「タレントはあくまでも一過性の仕事。歌手や役者のように一生続けられる仕事ではない。短期間に話題になるような人を探し出し、売り出していくかが芸能プロの仕事。使われる側もタレントでずっとやっていくのは厳しいということを認識しなければならない。だからおネエキャラの人には多いですが、それぞれ別に本業を持っている人もいますよね」(前出)

 タレントと呼ばれた人も現れては消え、消えてはまた新しいキャラの人が現れる。こうしてタレント界はうまく回っているのである。

ふただ・かずひこ
芸能ジャーナリスト。テレビなどでコメンテーターとして活躍するかたわら、安室奈美恵の母親が娘・奈美恵の生い立ちを綴った「約束」(扶桑社刊)、赤塚不二夫氏の単行本の出版プロデュースなども手がける。青山学院大学法学部卒業後、男性週刊誌を経て、女性誌「微笑」(祥伝社/廃刊)、写真誌「Emma」(文藝春秋/廃刊)の専属スタッフを経て、フリーとして独立。週刊誌やスポーツ新聞などで幅広く活躍する。現在は『おはようコールABC』(朝日放送)、『今日感テレビ』(RKB毎日放送)などにコメンテーターとして出演。


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