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第1特集
イスラム過激派の文化的背景【4】

知られざる風刺画の世界……イスラム教の風刺は是か非か? 各国のタブーなきメディア事情

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――ここまでは、法社会学の視点から、イスラムの禁忌に触れた風刺紙発行元へのテロリズムについて考察してきた。では一体、他国ではどのような"タブーなき雑誌"があるのだろうか? 表現の自由と共に、考察してみよう。

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「シャルリー・エブド」の公式HP。スクロールしていくと、問題となった風刺画が掲載されている。

 前ページでも紹介した「シャルリー・エブド」紙襲撃事件だが、一部の報道通り、決してメジャーな週刊新聞ではなかったようだ。一部では、"実話誌に似たエロとゴシップが中心のカストリ紙のような媒体"という評価もあるが……。

「『シャルリー・エブド』は、それほど大部数の新聞ではなく、発行部数は平均4万5000部。実売はおそらく2万 5000~3万部くらいでしょう。とはいえ、フランスでは根強い固定のファンを持つ、独自色の強い新聞です」

 国際情報誌「クーリエ・ジャポン」(講談社)の編集者で、長くフランスに在住していた鈴木秀亘氏はこう話す。

「シャルリー・エブド」の最大の特色は、強烈なメッセージ性を持つ風刺画だ。特にイスラム教の預言者・ムハンマドを扱った風刺画はたびたび物議をかもしてきた。2014年10月にはイスラム国がムハンマドの首を切る風刺画を掲載。襲撃事件の直前には、自動小銃を手にしたイスラム教徒の戦士をからかう風刺画を掲載している。無論、偶像崇拝を禁じるイスラム教社会では、ムハンマドを絵に描くことは禁止されている。

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