サイゾーpremium  > ニュース  > 芸能  > 海老蔵、七之助、獅童、愛之助……歌舞伎役者にとって、"芸能人は遊び"という本当のワケ
ニュース
【premium限定連載】芸能評論家・二田一比古の芸能ゴシップ今昔物語

海老蔵、七之助、獅童、愛之助……歌舞伎役者にとって、"芸能人は遊び"という本当のワケ

+お気に入りに追加

――数々の芸能スクープをモノにしてきた芸能評論家・二田一比古が、芸能ゴシップの“今昔物語”を語り尽くす!

shichinosuke1502s.jpg
『中村七之助』(朝日新聞社)

 中村獅童の結婚発表。中村七之助とトリンドル玲奈の交際報道。今年も若手歌舞伎役者の話題は尽きない。そこには歌舞伎界の台所事情が関係している。歌舞伎関係者の話。

「歌舞伎は"贔屓筋"と呼ばれる一部のセレブな人たちに支えられている。歌舞伎座に行けば、着物を着た上品そうな人が多くいるが、その人たちを役者の奥様が玄関で丁重に迎え、さながら高級料亭に行くような雰囲気。これでは一般客はなかなか入りにくく、二万円近い観劇料金もあってとても庶民が気楽に見に行ける世界ではない。このままでは歌舞伎を見る客に新陳代謝がおきない。役者側からすれば、将来に不安が募ってしまう。無論、日本の伝統芸能をなくすわけにはいかない。その為には将来の歌舞伎界を担う若手役者が若い客を歌舞伎に呼ぶ必要性が出てきていますが、昔のように歌舞伎だけでは若い客は来ない。歌舞伎をもっと身近なものにするために若手は歌舞伎以外の活動で若い人に関心を持ってもらうようにしているのです」

 先陣を切ったのが市川海老蔵だった。米倉涼子を皮切りに高岡早紀、佐藤江梨子、さらにはクラブのホステスとプレイボーイぶりを発揮。芸能マスコミに派手に取り上げられ、若手歌舞伎役者の奔放な遊びが大きくクローズアップされた。続いて獅童も竹内結子とでき婚。深夜のパブで酔った勢いでお尻を出したりするパフォーマンスまであった。それらは芸能マスコミにとっては「おいしいネタ」だった。芸能レポーターが振り返る。

「芸能界は芸能プロとの関係や圧力があって、たとえネタがあっても触れることもできないケースが多々ありますが、歌舞伎界は比較的オープン。直撃も自宅への取材も規制がないし、あまり嫌な顔をせずきちんと対応してくれるから、ワイドショー的にはありがたい存在です」

 続いて登場したのが、片岡愛之助に尾上松也の二人だった。二人ともそれぞれ熊切あさ美、前田敦子との熱愛というネタ付きの登場。

「愛之助は当時、上方歌舞伎で活躍していた役者ですから、仮に交際相手が一般人だったらあんなに騒がれていない。熊切が"崖っぷちアイドル"と言われていた時代ですが、組み合わせのインパクトは十分。松也も一般的には無名の役者でしたが、付き合った相手が前田敦子ですから注目度は増した。そもそも歌舞伎役者はイケメンが多いですし、当然女性の関心を呼ぶのです」(同前)

 名前と顔が売れれば、マスコミが飛びつくのは道理。愛之助はドラマにCM、さらにイベントと仕事が倍増。松也も今やイベントなどに引っ張りだこ。

「昔の歌舞伎役者は芸者と遊ぶのが基本で、女遊びを芸の肥やしにしていましたが、今の若手は芸者よりも身近な子と遊ぶ。舞台を降りたら彼らは今の若手タレントと変わらない。しかも、芸能人と付き合えばマスコミに取り上げられるのも計算づくで、どうせ遊ぶなら相手も有名人という傾向にあります。芸能界のイケメンタレントと違い、歌舞伎界は女性スキャンダルが仕事に影響することがない世界。普段の顔を見せることで、本業の歌舞伎に関心を持たせることが目的とも言われています」(歌舞伎関係者)

 結婚会見で獅童は「次は松也」と指名したのも意味がある。

「結婚したら若手でもそう話題にならなくなる。次の結婚を松也と指名したのは、松也にマスコミを注目させて、常に歌舞伎界の話題を絶やすなという暗黙のバトンタッチでしょう。今後、松也にはメディアが殺到して、“前田さんとの結婚は”とワンパターンの質問が集中するのは目に見えています。さらに七之助も相手が旬のタレントですから、今後、ターゲットになる。この二人の話題で今年一年は話題を引っ張るのでしょう」(同前)

 松也に七之助の話が出たところで、愛之助はどうなったという素朴な疑問も湧いてしまう。

「結婚は別問題。愛之助も熊切と別れている可能性もある。松也も七之助も結婚となると疑問。別れたところで人気に影響しないし、結婚相手となると、一人の判断ではできないのが歌舞伎の世界。後援会は遊ぶ相手には文句は言いませんが、結婚相手となると、“ふさわしい人”という縛りがある」(同前)

 スキャンダルの有効利用を歌舞伎界は率先して行っているようだ。 

ふただ・かずひこ
芸能ジャーナリスト。テレビなどでコメンテーターとして活躍するかたわら、安室奈美恵の母親が娘・奈美恵の生い立ちを綴った「約束」(扶桑社刊)、赤塚不二夫氏の単行本の出版プロデュースなども手がける。青山学院大学法学部卒業後、男性週刊誌を経て、女性誌「微笑」(祥伝社/廃刊)、写真誌「Emma」(文藝春秋/廃刊)の専属スタッフを経て、フリーとして独立。週刊誌やスポーツ新聞などで幅広く活躍する。現在は『おはようコールABC』(朝日放送)、『今日感テレビ』(RKB毎日放送)などにコメンテーターとして出演。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2024年5月号

NEWS SOURCE

サイゾーパブリシティ