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第1特集
我が首都からニッポンの未来が見える!?

我が首都からニッポンの未来が見える!? 「数字」「地名」から考える“アングラ東京”ガイド

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――ニッポンの首都、東京。人が集まり、金が集まり、欲望が爆発する我らがトーキョーを、数字を通して眺めてみると……?

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【東京を読み解く5つの数字】

■一貫して減少傾向にあり!
[外国人登録者数]39万4110人
東京都の外国登録者数は2010年前後をピークに減少傾向に転じつつある。東京都に関していえば、近年で最も多かったのが11年の42万2226人で、13年には40万人を切り、今年1月現在でも微増ながら40万人は割り込んだままだ。メディアでは「増加する不良外国人」などといった文言が踊りがちだが、実はすでに日本は、そして東京も、外国人に見捨てられつつあるのかもしれない。あるいは東京五輪需要などで、再び上昇に転じるのか?(データは東京都統計局発表による。データ取得日は、いずれも当該年1月1日)

■実は治安は良くなっている!?
[犯罪件数]16万2557件
2013年度の犯罪認知件数がこの数字。東京都総人口の微増傾向にもかかわらず、一貫して減少傾向にある。こと殺人件数に限ってみても同じく減少傾向にあったものが、昨年はついに100件を割って94件に。ちまたにはびこる「犯罪の増加」「治安の悪化」という言説がいかに間違っているかがよくわかろうというものだ。一方、自殺者数は基本的に増加傾向にあり、東京都の昨年度は2620件。対策が急がれるべきはこちらではなかろうか。(データは警視庁、東京都福祉保健局などによる)

■財務状況は意外と健全!?
[都債残高]5兆7103億円
日本の国の借金が1000兆円を超えたことが昨年話題となったが、このうち国債残高は800兆円超だ。一方東京都に目を転じれば、2013年度の都債残高がこの数字。しかも、2000年前後には7超円を超えたが順調に圧縮されていき、現在のこの数字となっている。ちなみに財政状況を見ると、13年度の決算は、一般会計で歳出が約6兆500億円、特別会計で約4兆円、計10兆5000億円。日本の国家予算が現在ざっと100兆円。その10倍の借金がある日本国に比べれば、東京都の借金額の少なさ、財政状況の健全さがよくわかるだろう。

■都心にそびえる異様な建造物の数々
[宗教団体数]8801団体
文化庁が発表した、東京都にある宗教団体数。全国の総数が約22万団体であるから、約4%、25団体に1つ程度が東京に居を構えているわけである。東京の都市の規模、人口の多さから考えれば決して多い数字ではないようにも思われるが、実は、特に渋谷区、港区などには名の知られた新宗教の施設が集中している。その中には、近代的な都心の風景にはなじまぬ、強烈な異彩を放つ建物も多い。都市社会を生きる孤独な東京人は、その異様さにこそ惹きつけられるのだろうか……。

■アベノミクス効果は絶大なり!?
[企業倒産件数]2253件
東京都産業労働局が発表した2013年度の東京都の倒産件数がこれ。前年比8.8%減、23年ぶりの低水準だそうである。ちなみに企業の負債総額で見ると総計7260億6600万円で、実に前年比54.0%減である。もちろんこれについては、アベノミクス効果による一時的なものだ、という言い方も可能だろう。さて、日本を牽引する名だたる企業が本社を構える東京の景気はどうなるのか?


 地名は常に歴史を思わせる。為政者の歴史。あるいは名もなき民衆の歴史。地名は、文字に書かれた表側の歴史の裏側で、能弁に真実を語る。それはこの東京においてもかわりあるまい。

 天正18年(1590)年8月1日。徳川家康が江戸に入ったとされるこの日をもって、今につながる江戸の歴史、すなわち現在の東京の歴史は始まる。それ以前、古代から中世にかけてのこの地域は、基本的には何もない田舎であった。その時代の関東地方の中心地は、府中。あるいは国分寺。あるいはさらに内陸部の秩父。いずれも現在にまで続く地名となって残っている。

 現在の東京中心部に人が住んでいなかったわけではない。渋谷には渋谷氏が居を構えていたし、池袋には袋池があった。しかし、やはり人は少なかった。

 現在知られているような東京の地名が歴史に数多く登場するようになるのは、江戸時代よりあとの話だ。なぜならば、人が増えたから。家康がその礎を築いた江戸の町は、彼の死後、飛躍的な発展を遂げる。江戸中期にはすでに人口100万を超えたともいわれるこの巨大都市は、人を惹きつけ、土地を細分化し、そして多くの地名を生み出していった。新宿は甲州街道沿いの新たな宿場町であった。銀座では銀貨の鋳造が行われていた。いずれも近世徳川期の話である。

 明治時代、江戸は東京となる。東の京都。なんとわかりやすい地名であろうか。このわかりやすさがよかったのか、東京はさらなる発展を遂げていく。明治には秋葉原が生まれ、昭和になって歌舞伎町が生まれた。人はさらに増え、地名も増え、人の欲望を惹きつけていく。

 そして現在。東京都の人口はおよそ1300万人に膨れ上がった。ざっと日本人の10人に1人が東京都民という計算である。日本全体の人口減少、地方の過疎化がいわれる中、東京都心部の人口は増え続け、場所によっては地価も上がり続けている。だから東京は、今も人を惹きつけ続ける。地方から。そして世界から。ならば東京は、日本の縮図であり、世界の縮図ではないか。

 東京を読み解けば、本当の日本がわかり、本当の世界がわかる。我々が知りたいのは、為政者の表側の歴史ではなく、その下でうごめく名もなき人であり、金であり、欲望であり、暴力である。

 本特集では、東京という場所に焦点を当て、そこにさまざまな角度から分析を加えた。東京の中心・皇居、ミュージシャンたちを育んだ街・渋谷。芸能人を吸い寄せる夜の街・六本木や銀座。新宗教の建物が威容を誇る松濤や白金。あるいは、東京が地方に対して放ってきた強烈なイメージ、そして地方から見た東京という巨大都市――。

 平成の御代は、この東京にどれだけの新しい地名を生み出すだろうか? まだ地名にはなっていない、そのわずかなうごめきや胎動を、この特集で明らかにしていこうと思う。

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