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「汚い現実を濃縮した毒気がいっぱい!」【アートディレクター・若野桂】が魅了された"ひみつ道具"

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(絵/沖真秀)

若野桂(もしの・かつら)
1968年、岐阜県生まれ。アートディレクター。映像作家。01年に発売されたAIBOの工業デザインや、国際的なプロジェクトを多数手がける。

『のび太の恐竜』(80)に出てきた「桃太郎印のきびだんご」に憧れていました。恐竜を手なずけて、言うことを聞かせるあれです。僕、農家の育ちで、いろんな動物と遊んでたんですけど、いうことを聞かない動物もたくさんいて大変だった(笑)。これだったら深いコミュニケーションが取れるなって。

 アートの分野にも身を置く者としては、「悪運ダイヤ」が気になりますね。他人に自分の不幸をなすりつけることのできる恐ろしい道具ですが、「貴金属を欲しがる人はツイてない」という発想は面白い。見た目がきれいなものはつい欲しくなってしまうというのは、大人社会でよくあること。これ、完全に藤子F先生の毒ですよ。ダイヤモンドって、実際の生活では何の役にも立たないですしね。アートの収集にも通じるし、美の罪深さを象徴した道具です。

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