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『クロサカタツヤのネオ・ビジネス・マイニング』第10回

「オリンピックが最後のチャンス!? 背骨なき個人とムラ社会化が招く東京の崩壊」

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通信・放送、そしてIT業界で活躍する気鋭のコンサルタントが失われたマス・マーケットを探索し、新しいビジネスプランをご提案!

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日本の人口ピラミッド(総務省統計局調べ/2013年年10月1日現在)↑画像をクリックすると拡大します。

――効果があるのかないのか、いまいちはっきりしないアベノミクスに日本が振り回されている中、東京だけは新しい商業施設がオープンしたり、高級マンションが飛ぶように売れたりと景気の良い話しが聞こえてくる。さらに2020年の東京オリンピックが決まったことで「日本が不景気でも東京は大丈夫」という安心感すら漂っている。しかし、本当に東京に課題はないのだろうか。実は足下から東京に危機が迫っているのではないか?

クロサカ 日本のGDP縮小や人口減少で、地方が苦しむ中、唯一、東京は元気だといわれています。常に再開発が行われ、2020年の東京オリンピックが決まったことで、さらに多くのリソースが注がれることになるでしょう。しかし、東京はこの先も本当に活力あふれる都市であり続けられるのでしょうか? それに疑問を感じるような出来事もあります。そこで今回は、都市論の研究者である白鴎大学の小笠原伸教授をお招きしました。

 さっそくですが、この夏休みに身近で気になることがありました。子どもがラジオ体操に通ったのですが、なんと4日間しか行われませんでした。どうやら「子どもの声がうるさい」と苦情があったようです。また、保育園の新設に対して近隣住民が反対運動【1】を起こしたとの報道もありました。このように東京の都心部では、子どもが許容されなくなりつつあります。

小笠原 これまで都市は多様性があり、田舎は同質的だといわれてきましたが、今の東京はそうではなくなってきているのではないでしょうか? 都市生活においても、お互いを監視し合い、少しでも瑕疵があると批判を受けるようなことが増えています。

クロサカ 確かに都市生活は、プライバシーを確保する手段であったはずが、ツイッターなどのITツールによって、プライバシーが思わぬ形で暴かれてしまうこともある。そのため、同じ価値観を共有した人間だけが住む、ゲーテッドコミュニティ【2】のような閉じた居住空間を求める人が東京にも増えました。

小笠原 「きちんと住まう」ためには、内骨格が必要なんです。つまり、他人と共存するために必要な社会的規範が、個々人の内面に備わっていないといけない。そうした個人のあり方ができないと、今度は外骨格が必要になります。つまり物理的な形でぶつかりあい、異なる価値観を持つ人間を排除するんですね。

クロサカ 前者は、トラブルが起きても話し合いをして、コミュニティ全体で解決していこうという姿勢ですね。対して後者は、トラブルの要因自体を避けようというものです。

小笠原 欧米では、内骨格を確立して個人と個人が向き合って生きていくことが当然とされています。ですが、日本では皆が外骨格の殻をかぶりがち。外骨格があれば、他人と少々トラブルになっても、なんともないですが、裏を返すと他人にまったく興味を持たないということでもあります。果たして我々はどちらの社会を選ぶのか、その岐路に立っているんです。

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