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第1特集
「芸能人プロデュース」が増えた本当の理由

名義貸しで400万円の荒稼ぎ芸能人とファッションの胸算用

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――「梨花がプロデュースした服がバカ売れ!」「元AKB48篠田麻里子プロデュースのアパレルブランドが破綻!!」……。相変わらずアパレル業界では芸能人プロデュースものが人気だ。では、彼女らは一体何をして、いくら稼いでいるのだろうか? また、メーカーが彼らを起用する理由とは何なのだろうか?

業界コラム【1】―古き良き時代の芸能人PR

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80年代には「おニャン子クラブとセーラーズ」「チェッカーズと45rpm」といったデザイナーズブランドが、90年代には『東京ラブストーリー』(フジ)で鈴木保奈美が着用したダッフルコートや、浜田雅功が愛用した「プーマのジャージ」「MA-1」など、有名人がテレビの中で持つアイテムが流行となった。最近話題になったのは、キムタクがつけていたロレックス・デイトナくらいか?
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(絵/カズモトトモミ)

 マーケティング・リサーチ会社「矢野経済研究所」によると、2015年度の国内アパレル総小売市場の規模は、約9兆1500億円と予測されている。これは過去5年間、ほぼ横ばいの数字だが、ファストファッションブームの終焉、品質重視といった消費動向の変化はあるものの、景気に左右されない"手堅い産業"と見て取れるだろう。

 こうした中、相変わらずアパレル業界では「芸能人プロデュース」ものというジャンルに注目が集まっている。今や芸能人がアパレルメーカーと組んで、副業としてファッション・ビジネスを手がけることは珍しくはなく、洋服はもちろん、ジュエリーやアクセサリー、バッグ、つけまつげや化粧品などのコスメ、カラーコンタクトに至るまで、さまざまなジャンルで芸能人の「プロデュース商品」が発売されている。

 人気ドコロでいうと、梨花による大人の女性に向けた「MAISON DE REEFUR」、YOUによる黒を基調とした、こちらも妙齢の女性に向けた「PEEL SLOWLY」、そのほか、吉川ひなの、ローラ、小森純など、「芸能人プロデュース」ものは枚挙に暇がない。さらに一般的には知名度の低い雑誌モデルなどを加えれば、その数は何倍にも増えることになる。

 こうした流れに先鞭をつけたのは、1999年、毛皮メーカーとのコラボレーションで「コスタ・モーダ・ウノ」ブランドを発表した神田うのだろう。その後、アイウェア「UN-O」、ジュエリー「デュノア」を次々にプロデュース。老舗メーカー「グンゼ」と組んで立ち上げたストッキング・下着のブランド「Tuche」では、当時、海外で流行していたワンポイント入りストッキングをいち早く取り入れ、爆発的にヒット、5億円の通称"パンスト御殿"を建てるほどの成功を収めている。

「それ以前も、芸能人がファッション・ブランドをプロデュースするケースはありましたが、いずれもビジネスとしては成功していません。その意味で神田うのは、ファッション・センスはともかく、ビジネス面で実業家としての才覚はあったということでしょうね。実際、彼女はほかにも毛皮メーカーとのコラボやサングラスのプロデュースを手がけていましたし、最近ではウェディングドレスや着物、ジュエリーといったジャンルにも手を広げていますが、こちらは『Tuche』ほど成功はしていない。それでもひとつでも大ヒット商品を出したことで、ファッション・ビジネスの成功者としてのポジションを確立しました」(女性ファッション誌編集者)

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(絵/カズモトトモミ)

 この流れに乗って徐々に芸能人の参入が増加し始め、千秋の立ち上げた子ども服ブランド「リボンキャスケット」など、成功例も生まれた。そして決定打となったのが、益若つばさや梨花といったファッション誌で若い女性層の圧倒的な支持を集めるようになった人気モデルたちの参入だ。

 中でも益若は、雑誌で着用した服やアクセサリーが爆発的に売れるようになり、「100億円ギャル」と呼ばれるほどの注目を集め、芸能人とファッションブランドの距離を一気に縮めた人物でもある。同時期、アメブロが有名人・芸能人がプロデュースした商品を扱う「Ameba有名人ショップ」をスタートさせたこともあって、この流れは一気に加速した。

「当初、アメブロの第一弾のコラボ企画に起用されたタレントはIMALUという中途半端さでしたが、今や驚くほど多くの有名人・芸能人がファッション・ブランドとのコラボ商品を生み出す一大勢力になっています。なにしろあのビッグ・ダディの元妻・美奈子プロデュースの商品が出たくらいですからね(笑)」(同)

 そして現在、「このヒエラルキーの頂点に君臨しているのが先の益若つばさ、梨花、そして紗栄子といった面々」(アパレル業界関係者)だ。

「一般的にはそれほど有名ではないモデルでも、実際に商品を購入する若い女性たちに対する発信力は飛び抜けています。彼女たちがファッション誌やアメブロで紹介するアイテムは、一時的とはいえ、飛ぶように売れますからね。現在は彼女たちのようにカリスマ性のある芸能人・有名人、女性ファッション誌、アパレル・メーカーが三位一体となって流行を仕掛ける構図が出来上がっています」(同)

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