サイゾーpremium  > 特集  > タブー  > 忘れられない京都撮影所の恐怖ルール」【二田一比古】の忘備録
第1特集
稀代の悪役俳優が語る「東映俳優とヤクザの深い関係」【2】

【芸能ジャーナリスト・二田一比古】が語る京都撮影所の【恐】ルール

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『仁義なき戦い 公開40周年 そのすべて』(メディアックス)

 私が東映・京都撮影所によく取材に出掛けたのは、映画『仁義なき戦い』シリーズが大ヒットしていた1970年代後半頃だった。太秦という場所は、撮影所に着く前から、独特の緊張感があった。いかつい男の軍団が所内を闊歩するその世界では、場所を聞くのにもいちいち気を使ったものだ。

 撮影現場をのぞくと、上から横から大声が飛んでくる。

「何してんのや、そんなところに立っていたら邪魔や!」

 頭上から容赦なく聞こえてくるのは、照明係の野太い声。「ベテランの照明さんは、撮影所内ではある種の権力者。主役以外は、照明係の人の意見が絶対だから」と聞かされていたのだが、実際、こんなエピソードもあったらしい。

「東京から役者が撮影に来るけど、どんなに東京ではスターでも、太秦に来たら太秦のルールに従ってもらうだけ。守らなければ教えてあげるだけ。生意気な奴には、照明器具を当たるか当たらないかギリギリのところにわざと落とす。もちろん絶対に当てない技術があるからできることだけどな」

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