サイゾーpremium  > 特集  > 政治・経済  > シリコンバレーを支えるセレブの海外投資マネー

──アメリカ・シリコンバレーを中心に、いま世界のあちこちでスタートアップ企業が新しいウェブサービスをリリースしている。成功するもの、ダメになるものさまざまあるが、そうした新しいものを生み出す文化を支えているのは、実はハリウッドスターをはじめとする海外セレブたちだった!

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『ジャスティン・ビーバーフィーバー!!ビーバー』(メディア・パル)

 今ハリウッドでは、IT系ベンチャー企業の卵、いわゆるスタートアップに投資するセレブが増えている。

 あのレオナルド・ディカプリオも、スタートアップ投資に熱心なひとりだ。彼は2011年にモバイル写真共有アプリMobliへ400万ドル(約3億8000万円)を投資し、大きな話題になった。映画『華麗なるギャツビー』(今夏公開予定)でディカプリオと共演したトビー・マグワイアも、彼に勧められて同アプリに投資している。「テクノロジーを通して、我々も語り部になれるんだ。すごいことじゃないか!」と興奮気味に語るトビーのように、セレブが投資するのはソーシャルビジネスばかり。ファンと直接交流できるSNSを重宝し、可能性があると感じているから、ソーシャルビジネスを有力視するのだろう。

 SNSを使い世界中のファンとの絆を深めるレディー・ガガは、ソーシャルゲーム会社Zyngaや、彼女のビジネス・マネージャーが立ち上げたコミュニティー・プラットフォーム開発を専門に行うBackplaneなどに投資。12年7月には同社が開発したガガのファン専用SNS「リトルモンスターズ」が設立され、話題を集めた。

 若いセレブたちも、スタートアップ投資を積極的に行っている。アイドル歌手のジャスティン・ビーバーは、ウェブ版ビデオチャット・サービスTinychat、ソーシャルゲーム会社Sojo Studios、定額制音楽ストリーミングサービスの大手Spotifyなどに投資。ジャスティンをフった女優・歌手のセレーナ・ゴメスも、iPhoneで撮った画像をポストカードにして送れるアプリPostcard on the Runに投資している。ジェイ・Zとウィル・スミスの大物セレブも、動画を撮影し加工・共有できるアプリViddyに投資。まさに猫も杓子もスタートアップ投資といった様相を呈しているのだ。

 アメリカは投資大国であり、投資により資産を増やす人がとても多い。ハリウッドのセレブスターたちもご多分に漏れず何億円という多額のギャラを費やしているが、ここ10年ほど、世界的な不況のあおりを受け、従来のやり方での資産運用は厳しい状況にある。かつては不動産投資もそのひとつだったが、サブプライムローン問題とその後の不況の影響を受け、不動産価値は暴落し続けている。投資運用会社を通しての証券投資も、ケヴィン・ベーコンとキーラ・セジウィック夫婦が、08年にねずみ講詐欺の被害に遭って大半の財産を失ったと報じられ、一気に人気が失せた。この事件は、ナスダック元会長のバーナード・マドフによるヘッジファンドを通した詐欺であり、全米史上最大となる6兆円の被害額を出したとされている。

 不動産もダメ、証券投資もダメ、終わりの見えない暗い不況の中で、セレブたちの心をグッとつかんだ魅力的な投資法が、スタートアップへの投資であった。

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