>   >   > これさえ読めばわかる! 脱法ドラッグのカテゴリー

──脱法ハーブばかりが取り沙汰されているが、脱法ドラッグのカタチはそれだけではない。現在、人体への摂取を目的としない“合法ドラッグ”とうたって業者が販売しているのが、この3タイプである。

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(絵/河合寛)

【タイプ1】マリファナよりも激しくキマる!
■ハーブ

大麻に含まれるTHCに似た合成カンナビノイドという化合物を、薬草や香辛料などの乾燥植物片に添加したもので、紙で巻いたりパイプに詰めたりして喫煙する。植物片自体にドラッグとしての作用はない。2004年頃に欧州で登場した「スパイス」という製品が原型だが、最近では覚せい剤やコカインに似た中枢神経興奮作用のある成分を添加したハーブも。1パックに1~3g程度入っており、価格は約4000~5000円。「お香」として販売されていることが多い。


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(絵/河合寛)

【タイプ2】アガりすぎる液体の“アロマ”
■リキッド

液体状の脱法ドラッグ。用法としては、飲み物に数滴混ぜて飲んだりする。覚せい剤やコカインのような作用をもたらす中枢神経興奮物質が含まれている、いわゆるアッパー系のものが多く、強力な精神作用と同時に体温や血圧を上昇させるため、海外でも日本でも過剰摂取による健康被害の事例が報告されている。LSDやマジックマッシュルームに似た幻覚作用をもたらす物質が含まれている製品もあるという。一般的には、「芳香剤(アロマ)」として販売されている。


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(絵/河合寛)

【タイプ3】人肉を食いたくなる粉末!?
■パウダー

日本でもっとも流通しているのはハーブだが、欧米で現在はやっているのが「バスソルト」と呼ばれる粉末状の脱法ドラッグである。摂取した男がホームレスの顔面を食いちぎった2012年の“マイアミ・ゾンビ”事件により、その存在が広く知られるようになった。リキッドと同様、中枢神経興奮物質を主成分とするが、幻覚性物質を含む製品もアリ。使用方法は、スニッフィング(鼻腔吸引)や“アブリ”など。日本では「植物活性剤」などの名目で売られていることが多いという。

(文/編集部)


蔓延したのはマスコミのせい!?
メディアが報じた脱法ドラッグの姿

 昨年は脱法ドラッグ関連の事件・事故が相次いだが、新聞や雑誌、テレビはどう伝えたのか?この1年の報道を振り返りたい。

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「SPA!」(扶桑社)11/20・27号の記事。脱法ドラッグを、おぞましきものとして伝える。

 “脱法ドラッグ”は、2012年の裏流行語大賞と言ってもいいのではないだろうか。後半期、大手新聞から実話誌まで、関連記事を見ない日はないというほどの盛り上がりであった。きっかけとなったのは、5月から6月にかけて関西で服用者が立て続けに起こした交通事故で、本文で取り上げた6月25日放送、NHK『クローズアップ現代』の脱法ドラッグ特集も、そのニュース映像から始まっている。しかし、興味深いのは、約1週間後、同局職員が脱法ハーブの摂取による意識障害で緊急搬送されていることだ。彼はそれが初めての脱法ドラッグ体験だったというが、自社の報道で興味を持ったのだろうか。『あぶないハーブ』(三一書房)の著者・小森榮は、「PRESIDENT」誌(プレジデント社)12月3日号で、「テレビが取り上げれば取り上げるほど、濫用者が増えていってしまう、という悪循環に陥っている」と警鐘を鳴らしている。つまり、脱法ドラッグ・ブーム自体、マスコミによって拡大されている側面もあるのだ。

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『クローズアップ現代』(NHK)の脱法ドラッグ特集。キャスターは別件で話題となった森本アナウンサーでした。

 また、アカデミックなアプローチでは、社会学者の開沼博が〈ダイヤモンド社書籍オンライン〉で連載している「闇の社会学」第8回「“普通の人”を誘う『脱法ドラッグ』の真実」が秀逸である。ただし、この記事の手落ちは、同問題を日本特有の現象として扱っていることだ。本文の冒頭で石丸元章が言う「2012年は脱法ドラッグのパンデミックだった」の“パンデミック”とは、正確には世界的な流行を指す。それを象徴する事件にもかかわらず、あまりにも陰惨なため、マスメディアではほとんど報道されず、ネットを中心に話題になったのが、マイアミで起こったいわゆるカニバル・アタックだ。バスソルトという脱法パウダーが原因で凶暴化し、生きている人間の顔面を食いちぎったとされるこの事件からしばらく後、日本の脱法ドラッグ・ショップの看板には「バスソルトあります」というチラシが貼られていたとのこと。いやはや、人間のドラッグに対する好奇心は底知れない。

(文/磯部涼)

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