>   >   > 【マンガ業界】崩壊の序章

――昨今のマンガ業界をデータを通して眺めてみれば、実は『ONE PIECE』『NARUTO』などの超有名ロングセラー作品以外はヒットに乏しいことが見えてくる。クール・ジャパンの看板を引っさげて進めた海外展開も思わしくはなく、電子書籍の分野はまだ未知数……。さてさて、どーするどーなるマンガ業界!?

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(写真/磯部昭子 A/M)

 出版界の不況が叫ばれ始めて幾星霜。いまやマンガだけが業界の命綱となっている状況だが、昨今、そのマンガ分野においてさえ、市場縮小に歯止めがかからない。

 2011年のコミック市場全体の推定販売金額は前年比4・6%減の3903億円と、いよいよ4000億円を割り込んだ。マンガ誌は16年連続で最低の販売金額を記録し続け、10年には5年ぶりにプラスに転じたコミック単行本も、前年比2・7%減の2253億円(「出版月報」12年2月号より)。 出版業界紙「新文化」の元編集長でジャーナリストの諸山誠氏は「今年の上半期でも全体でマイナス2%というデータが出ており、12年はもっと縮小するだろう」と予測。

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『MIX』1981年から「週刊少年サンデー」に掲載されて大ヒットした『タッチ』の“続編”で、早くも大ヒットの予感大。新しいヒット作を出せない出版社にとっては、実においしいコンテンツ!?

「マンガ誌で好調なのは、いまだに発行部数300万部を誇る『週刊少年ジャンプ』(集英社)のみ。それも『ONE PIECE』一作の力で、休載すると部数がガクリと落ちるといいます」(諸山氏)

 実際12年は、新しいヒット作の声も聞こえてこない。もちろん、『銀の匙』(小学館)は単行本が累計520万部、『青の祓魔師』は累計900万部を突破しており、『黒子のバスケ』(共に集英社)も7月時点で950万部を突破。10月にアニメがスタートした『マギ』(小学館)も累計650万部に到達しようとしている。しかし、オリコンが発表した単行本の12年上半期売り上げランキングで上位10位にランクインするのは、『ONE PIECE』『君に届け』『NARUTO』(いずれも集英社)、『進撃の巨人』(講談社)などと定番タイトルばかり。大手書店員による下半期の期待作も、ウルトラマンの息子が主人公の『ULTRAMAN』、往年のヒット作『タッチ』と同じ明青学園を舞台とした『MIX』(いずれも小学館)、アニメ化・映画化の恩恵を当て込む『ジョジョ』シリーズ、『ドラゴンボール』(共に集英社)と、過去の遺産頼りの作品ばかりだ。

「講談社、集英社、小学館の大手3社は、長期連載作品、過去のヒットに頼らざるを得ない状況です。とはいえ『ONE PIECE』以外の近年のロングセラー作品は人気のピークを過ぎ、部数を落としているようですね」(諸山氏)

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