サイゾーpremium  > 特集2  > 【ジャーナリスト・武田賴政】「球界が腐敗するかの分水嶺」

──94~97年の第二次長嶋政権を支えた、アメリカ仕込みのスポーツマネジメントのプロフェッショナル・河田弘道。彼の秘蔵資料に触れ、その中身を知ったジャーナリストは、「当時と今と、巨人は何も変わらない」と指摘する。

『Gファイル』(文藝春秋)

 ご存じの通り、巨人は戦後日本において、常に時代を表象してきたチームです。そして今でも他球団に比べればはるかに注目度は高い。テレビ中継がほとんどなくなって、ビジネスとしては以前ほどの収益ではないような気はするものの、それでも東京ドームには客が入りますよね。

 例えばある高校スポーツの強豪校の練習メニューが変わると、全国の同じ競技の部のメニューも変わるというように、強いチーム、人気チームには計り知れない影響力があります。もし巨人ほどの球団の体質が激変すれば、チームが健全化されるだけでなく、プロ野球界、ひいてはアマチュアも含めた日本のスポーツ界全体が一新される可能性もあるんです。

 ところがその体質はというと、正力松太郎のころから何も変わっていない。当時は戦後で、スポーツといったら野球か相撲しかない上に、巨人が圧倒的に輝いていた時代です。日本中の野球少年が巨人の選手を目指していて、ドラフト制度なんかなかったから、その全国の天才の中からいいとこ取りができてV9時代を築き上げ、さらに人気に拍車をかけられた。そして「巨人軍は常勝集団で、その四番バッターは明るく元気なホームラン王。そして読売新聞は部数ナンバーワン」という“国是”を作り上げ、今も守り続けようとして横暴を振りかざす。ことに務臺(光雄)さん、渡邉(恒雄)さんといった新聞記者出身のオーナーは、常に自分の影響下にありながら自分と似た権力志向の強いタイプ、つまり“国是”を継承できる人材をフロントに起用し、親会社の意をストレートに反映させてきたわけです。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2018年12月号

"異能作家"たちが語る「文学、新宿、朗読」論