>   > 小宮悦子の侵食で地方局アナピンチ!? 報...

――ここまで、各報道番組における女子アナの”テクニック”について分析してきたが、現役の女子アナたちから見たとき、彼女たちはどう映るのか? 3人の現役アナウンサーにお集まりいただき、言いたい放題の品評会を実施した──。

[座談会参加者]

A…元地方局アナ・現フリー 17年目
B…フリーアナウンサー 15年目
C…地方局の局アナ 10年目

A 最近は、報道番組だと、私と同じ30代の女子アナがメインを張るようになってきた感じがしますね。震災以降、いつ生放送中に地震が起きるかわからないし、緊急地震速報にも対応しなければいけない。全体的に、若くて華やかだからメインに据えるってことはなくなってきた気がします。

B ただ、NHKのアナウンサーの場合は、若くても実力は申し分ないですよね。話し方や言葉遣いなど基本的なスキルがしっかりしていますから、今の風潮の中で報道番組に配置しても、問題はなさそう。

C それは間違いないですね。時々学生さんから、どこのアナウンススクールに通うのがいいか相談されるんですけど、NHKのスクール(NHK放送研修センター)に通えば間違いないって言いますもん。私も通っていましたけど、 元NHKアナウンサーの榊寿之さんや栗田敦子さんなど、『ラジオ深夜便』(NHKのネットラジオ番組)を担当するような、朗々とした声のアナウンサーが指導してくれるんです。どこの局に入ってもすぐに対応できるくらいのベースを、教えてくれますよ。

A 昔はNHKの女子アナに“いい娘”“いい孫”的な子が多くて、“いい奥さんタイプ”の女子アナが集まっているっていわれたのが日テレですよね。ただ、最近の日テレの女子アナって他局に比べて給料が安いし、アナウンス室の雰囲気が悪いらしくて。実際ここ数年で、夏目三久や西尾由佳理ら人気アナが続々と退職している。

C 「自分がいじめられたから、下の子たちもいじめる」っていう悪慣習が、最近まで続いていたみたいですね。アナウンス部長だった舛方勝宏さんや鷹西美佳さんは相当厳しかったと聞きます。特に鷹西さんは厳しすぎて誰もついていかず、わずか半年で異動させられてしまった。それと、給料がさらに下がっているらしくて、「無理してこの地位を守る必要ない」っていう意識もあるみたい。辞めていくのはそっちの理由も大きいんじゃないかなあ。

A フジテレビはどうですか? フジの報道というと、『スーパーニュース』の安藤優子さんのイメージがあります。安藤さんは局アナ出身ではないので、滑舌がいいわけではなく、アナウンス力も決して高い人ではないですが、視聴者に訴えかける説得力はすごい。木村太郎さんとも渡り合える肝の大きさもあります。なんてったって、00年にプロデューサーとの不倫が報じられた時も、1ミリも動じませんでしたからね(笑)。

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震災直後に『スーパーニュース』に出演する安藤さん。確かに、マークが……

B ただ、安藤さんは、発言はもちろんのこと、照明がすごいですよね……(笑)。女優さんがキレイに撮ってもらうために照明さんに付け届けをしているって話はよく聞きますけど、安藤さんがどれだけ照明さんの人心を掌握しているんだっていう。

C 震災当日に安藤さんが出ていた時も、かなり照明当てていましたからねえ。ヘルメットをかぶってるから反射して、フジテレビのマークが消えちゃっているんですよ。節電を呼びかけていた時も、あの照明を当てていたのかどうか。

A 安藤さんは別として、フジって『めざましテレビ』の生野陽子とか、『すぽると!』の平井理央とか、アイドル的な女子アナが多い印象ですけど、育ちのいい娘が多いんです。ねたみとかなくて、“悔しい”って感覚が欠如している人たちの集まり。アナウンス室の雰囲気もいいらしいですよ。

B ただ、『知りたがり!』に住吉美紀(元NHK)さんが入ったじゃないですか。住吉さんがフリーになって所属しているノースプロダクションには、福澤朗さんも所属しているんですが、フリーになって、TBSの『ピンポン!』で司会を務めたものの、視聴率が取れずに失敗してるんです。それで起死回生を狙って、『知りたがり!』に住吉さんをねじ込んだらしいんですよ。住吉さん自身もピチピチの衣装でヨガを披露したりと、かなり必死。とはいえ、局のアナウンス室には80人くらいいるわけですから、「なんで外様の住吉にやらせるんだ」って怒り心頭らしいと聞きました。

短命なアナウンサーよりも記者報道番組で長生きするには?

A テレ朝はどう思います? どうも女子アナ軽視の傾向がある気がするんですけど。

B いつまでたっても女性はサブ扱いですよね。唯一メインをやれたのが小宮悦子さんですけど、彼女も結局は台本読みだけ。自分の意見を言う場はほとんど与えられなかった。次の女性キャスターを育成しようという気配もないし、現状で構わないと思ってるんでしょうね。

C そういえばTBSの田中みな実さんも、もともとは報道志望だったらしいですよね。今は見る影もないですが。最近は報道志望の子が減っているのに、珍しいですよね。

B まぁ、あのキャラクターをちゃんと演じているのは偉いと思いますね。報道志望の子ってまじめな子が多くて、そういう子にバラエティやらせると、 おどおどしたり突拍子もないことを言うから面白いっていうのは定石ですから。それと、報道志望の“アナウンサー”は、確かに減っていますよね。アナウンサーの寿命の短さをわかってるから、最初から報道部の“記者”を目指す人が増えている。報道記者やリポーターとして花開けば、30~40代になっても仕事はあります。年を重ねることで箔がつきますし、うまくいけばニュース解説者の席に入れるかもしれない。アナウンサーとして短命で終わるよりも、長い人生を考えたらそっちのほうが賢い選択になってきているんじゃないでしょうか。

A 一昔前は、ニュースを読むことがアナウンサーの花形でしたけど、今はその報道も、ひとつのジャンルに過ぎないんですよね。私のような地方局だとバラエティの制作自体が少ないから、報道を目指す人が多くなる傾向はありましたけど。男性だと、大体スポーツの実況を目指すんですよ。スポーツは地方でもやるし、CSとかでの需要も結構あるから。

C そうそう、最近は地方局やCSの仕事をしていると、キー局を辞めたアナウンサーが出ていたりして驚きません? 小宮悦子さんくらいの大御所でも、最近名古屋テレビの『ドデスカ!』に出ていたりして。辞めてもいいけど、地方の局アナの領分まで侵さないでくれって感じですよ。

B 地方局もですが、最近はニコニコ動画やUstreamまで侵出は進んでますよね。ギャラはキー局のテレビよりかなり落ちるのに、 名の知れた人たちまでそれで出るようになってしまった。

C 昔だったら、(制限のないネットは)アナウンサーとしての倫理的にも合わないって断っていましたよね。それが今は、「その金額と、そのいじられ方でいいですよ」ってなってる。局の女子アナを辞めた途端に、現実の厳しさを知ったんでしょう。

B それに、報道という点では、スポンサーに左右されにくいネット番組だと、かなり踏み込んだ発言も許されますよね。ニコ動は今年に入って有料会員が150万人を超えたそうで、単純計算で月間7億5000万円の収入があるわけですから、スポンサーに頼る必要は無いはずです。今でこそテレビでも東京電力批判がされるようになりましたけど、ナショナルクライアントを批判することはタブーですよね。ネット番組だとアナウンサーが平気でソニー製品の悪口を言っていたりしていて、時代が変わったんだなって感じがします。

C 局アナという立場だと、なかなかそういった踏み込んだ発言は許されませんからね。私がいた地方局にも独特のタブーがあって、地元の新聞社や、鉄道会社などのインフラ系、それと地元政治家の批判は許されませんでした。そうそう、地方局時代、親会社の親族が選挙に出るっていうんでウグイス嬢をさせられたこともあって……。

B それはひどい(苦笑)。

C ネット番組の広がりや他チャンネル化で、我々の仕事の幅は広がっているのかもしれないけど、必ずしもアナウンサーじゃなきゃいけないって場面ばかりじゃない。司会をやるだけなら、タレントでもできちゃったりするんですよね。結局は専門性の高い知識と、高いアナウンス能力がなければ生き残っていくのは大変な時代ですよ。
(構成/大熊 信)

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