>   >   > 【経済アナリスト・森永卓郎】が語る孫正義の読み違い
第1特集
文化人・財界人が語る孫正義の功罪【3】

経済アナリスト・森永卓郎が語る孫正義──自然エネルギーへの進出が最初の読み違いに?

+お気に入りに追加

1205_mirinaga.jpg

経済アナリスト
森永卓郎(もりなが・たくろう)
1957年生まれ。経済アナリスト。東京大学経済学部卒。三和総合研究所などを経て、現在、獨協大学経済学部教授。オタク文化や玩具にも造詣が深い。

[ソフトバンクと孫正義の評価]
【○】携帯・ITに関しては、独特の鋭い嗅覚で、一歩間違えれば倒産しかねない大型の投資・買収を乗り切った。そのセンスはさすが。
【×】自然エネルギーへの進出に関しては、正義感に目が曇って、いつもの鋭い勘が狂っているのでは。初めての大失敗となる可能性大。

■「年収300万円時代」など、経済の動向を先取りして分析してきた経済アナリストならではの視点で、孫正義の虚妄を突く。

 ソフトバンクは、創業以来、時価総額の上昇をもとにしてM&Aを繰り返していました。90年代には、世界最大級のコンピューターの展示会だったコムデックスや、「PC WEEK」というコンピューター主要誌の出版元だったジフ・デービスを次々と買収。それが成功すれば、また時価総額が上がり、新たなM&Aに向かう。企業を拡大させているといえば聞こえはいいですが、自転車操業そのもので、実質的には本体の実業がない企業でした。砂上の楼閣を積み上げていたようなもので、危険極まりない経営をしていたのです。そこで危機感を抱いた孫氏は、彼の持つ資産すべてをかけて、ブロードバンド参入という大勝負にでました。ここで、虚業から実業への転換を図ったのです。ヤフー!BBがスタートしたのは01年ですが、同じ年に崩壊したITバブルの構造は、1920年代のアメリカで、自動車産業の発展と高速道路網の発達がバブルを巻き起こし、29年に崩壊したのと酷似していました。また、情報化の進展と、そのためのインフラストラクチャの構築というビジョンは、通産省(現・経済産業省)によって70年代以降一貫して唱えられてきたものです。そのような古くからある潮流のいわばビッグウェーブにうまく乗って、虚業から実業へと脱皮を遂げた。ここに現在のソフトバンクの成功へと至るターニングポイントがありました。 

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミア

2018年11月号

禁断の家電・ガジェット

禁断の家電・ガジェット
    • テック系企業の【経済地理額】
    • 次世代のテック系【注目都市】
    • 世界を席巻する【アジア家電】
    • 【D.O.I.×BERBAL】安室奈美恵論
    • 【アムロ】を支えたPの本音
    • 知られざる地方【テック企業】
    • 米国【大麻用電子たばこ】産業事情
    • 【星名美津紀】家電とエロス
    • 進化し続ける【アダルトVR】の今
    • 最新【バーチャルセックス】のしくみ
    • 【三代目JSB・山下健二郎】スニーカー愛
    • 【三代目Air Jordan Brothers】選出!
    • 【リバタリアン】生んだネットの終焉
    • 各国【ネット規制】の事件簿
    • 【ゲーム依存】はビョーキか否か?
    • 【モノ雑誌】の「読プレ」豪華番付
    • 【景品表示法】を弁護士はどう見るか

防弾少年団がアメリカを制する日

防弾少年団がアメリカを制する日
    • 今さら聞けない【BTS】基礎講座
    • 数字で見る【K-POP】世界進出
    • BTS支持層【アジア系アメリカ人】の連帯

NEWS SOURCE

インタビュー

連載

    • 【忍野さら】友達の財布に私のトレカを入れるんです。
    • 【小林レイミ】デビュー4年目の初グラビア!
    • 振り返れば【芽衣】がいる
    • 【電力業界】に切り込んだ元フィンテック起業家
    • 【新潮45】を潰したのは誰だ!
    • 【阿波踊り】内紛の実情
    • 【中国】を支配する巨大顔認証システム
    • 【88ライジング】がアジアと米国を繋ぐ
    • 町山智浩/『ブラック・クランズマン』アメリカ・ファーストを謳うのは誰か
    • 政権の利益誘致政策に踊らされる【英語教育】の欺瞞
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子「ドラッグ・フェミニズム」
    • 「念力事報」/黒い水脈
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ研究所」
    • 【おとぎ話みたい】文化系男子が患う恋愛の病
    • ギャング集団に所属するアパレル屋
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • ビールの世界を超越し始めた【職人】
    • ひとりぼっちたちを繋ぐ【薔薇族】の誕生
    • 幽霊、雑誌の去勢と俗物主義の衰退。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』