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連載
町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第53回

巨匠イーストウッドがFBIの闇に迫る ディカプリオが演じるゲイで女装癖のFBI長官

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雲に隠れた岩山のように、正面からでは見えてこない。でも映画のスクリーンを通してズイズイッと見えてくる、超大国の真の姿をお届け。

『J・エドガー』

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FBI初代長官で、FBIを今日の巨大な組織へと発展させた功労者ジョン・エドガー・フーバー。大統領にも恐れられた彼の行う"正義"と、その秘められた私生活を、クリント・イーストウッドが精緻に描いた。

監督/クリント・イーストウッド 出演/レオナルド・ディカプリオ、ナオミ・ワッツ、アーミー・ハマーほか 日本では1月28日より全国公開予定


 クリント・イーストウッドは食えないジジイである。

 インタビューの時、「オークランドに住んでます」と自己紹介したら、「Name dropperだな」と返してきた。Name dropperとは、有名人の知り合いがいると見栄を張ることだが、オイラはただ彼の故郷の話題で和まそうと思っただけなのに!

 この『J・エドガー』の製作が発表されると、マスコミの関心は「ジョン・エドガー・フーバーの同性愛を描くかどうか」に集中したが、イーストウッドは「NO」と答えた。完成した映画を観ると、彼の答えは嘘であり、本当だった。

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