>   > 7億円の契約金、不可解な動きの裏にあった...

K-POPブームの牽引者である「東方神起」。日本でも人気絶頂だった、この韓国のスターグループの分裂騒動が突如起こったのが、2009年夏。その後、グループに残った2人が東方神起として活動を続ける一方、所属事務所との契約条件などに不満を持ったために離脱した3人は、新ユニット「JYJ」として始動。日本でも両グループが、それまで通り、エイベックスのマネジメントの下、積極的に活動が展開されるはずだったが……現在、JYJサイドとエイベックスは泥沼の裁判劇を繰り広げている。この訴訟の裏側には、両者のどのような思惑が隠されているのか。今回、これまで表に出ることがなかった裁判資料を入手、分裂騒動の深層に迫った。

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DVD『Memories in 2010』(rhythm zone)

 11月末に発表された2011年度の紅白歌合戦の出演者、グループの中に、大方の予想通り、ユンホとチャンミンの「東方神起」の名前を見つけることができたが、5人組だった「東方神起」を脱退したジェジュン、ユチョン、ジュンスの3人で結成した「JYJ」の名前はなかった。それを当然と見るか、不当と見るか、ファンやアンチの間で、評価は真っ二つに割れている。

 JYJは今年、日本で2回のコンサートを開いたが、いずれもエイベックスからの激しい「妨害」を受けている。ご存じの通り、これには前段があり、JYJサイドは、10年2月にエイベックスと日本での活動について専属契約を結んでいる。この契約が有効であるとするエイベックスからみれば、自社に無断で実施されようとしているコンサートをやめさせるのは「当然の権利」となるのだろう。そして現在、両者はこの専属契約が有効か無効かで、法廷の内外で激しく争っているのだ。

 エイベックスは当初、東方神起の分裂をめぐる騒動については、暖かく見守る姿勢を表明していた。下記は、09年8月6日付エイベックス社発表「東方神起について」である。

「東方神起のメンバーでありますジュンス、ジェジュン、ユチョンが、所属事務所S.M.Entertainment Co.Ltd.(本社:韓国ソウル市)に対し、専属契約効力停止仮処分を韓国法廷に申請していることに関しまして、3人のメンバーからは、『今回の仮処分申請は決して東方神起の解散を前提にしているのではありません』。また、S.M.Entertainment Co.Ltd.からは、『東方神起は個人や一企業のものではなく、国、そしてアジアを代表するグループであるため、東方神起の活動は持続するべきだと思っております』と、それぞれから、東方神起の解散を望んでいないことが表明されております。また、弊社はS.M.Entertainment Co.Ltd.より、東方神起の日本で今後予定されている活動につきまして、『基本的に(3人の)メンバーも法律事務所側も日本での活動を行う』という回答を受け取っております。皆様には大変ご心配とご迷惑をおかけしておりますが、弊社はこれまでと同様、日本における東方神起の活動を全力でサポートしてまいりますので、今後とも東方神起を温かく見守っていただけるよう宜しくお願いいたします」

 しかし、今はまるで逆の立場となり、東方神起およびJYJの日本での活動は、エイベックスを軸に混乱を呼び起こしている。いったい何が起こっていたのか。

 あらためて、エイベックスが、JYJ(がマネジメント契約をするC-JeSエンターテインメント)と契約した経緯を簡単に振り返ってみよう。

 09年7月に、のちにJYJとなる3人がS.M.Entertainment Co.Ltd.(以下、SM社)との契約の不当性を訴え、韓国の裁判所に契約効力停止を申し立て、これが事実上の分裂の契機となった。同年10月に裁判所は、SM社の契約について公序良俗に反するものが一部あるとして、契約の効力を一部停止したが、専属契約は残っていた。また係争期間中については、JYJの3人に独自の活動を認めるとして、JYJは同年11月からSM社から離れての活動を開始していった。JYJがこの前後で、C-JeSエンタテインメント(以下、C-JeS社)と契約を結ぶのだが、SM社はこれを二重契約として提訴。しかし、翌11年2月に裁判所はJYJとC-JeS社の契約は業務委託契約であるとして、この訴えを退ける。

 そして、エイベックスは10年2月24日に、保有株式1銘柄を売却している。売却益は7億8300万円で「保有資産の効率化及び財務体質の強化を図るため」としている(10年2月24日付エイベックス発表「投資有価証券の売却に関するお知らせ」)。エイベックスが売却した株式というのが、韓国コスダック市場に上場しているSM社のものである。10年3月には、エイベックス社屋内にあったSM社日本法人の株式会社エスエム・エンタテイメンメント・ジャパン(SMEJ)が同住所を離れ、別の場所に事務所を移転している。要するに、両者の関係性に変化が生じ、エイベックスが追い出した、もしくはSM側が出て行ったのだ。

 さらに10年3月14日に、エイベックスは「JJY」(当時のエイベックス側の呼称)の結成を正式に発表した。この一連の動きにおいて、エイベックスはいったい何がしたかったのだろうか。


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