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CYZO×PLANETS 月刊カルチャー時評第17回──【MOVIE編】

B級感を再現した"真面目に不真面目"な映画『電人ザボーガー』

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──低迷する映画業界よ、こんな時代だからこそ攻める映画を! 保守的になりがちな映画業界に喝を入れる映画評。映画を見る前にこれを読むべし!

2011年11月号 MOVIEクロスレビュー

■お蔵入りにはなりませんでした

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© 2011映画「一命」製作委員会

『一命』
監督/三池崇史
原作/滝口康彦 脚本/山岸きくみ
音楽/坂本龍一 プロデューサー/中沢敏明、ジェレミー・トーマス
出演/市川海老蔵、瑛太、満島ひかり、役所広司ほか
配給/松竹 公開/10月15日

浪人による「狂言切腹」がはやる江戸時代初頭。井伊家の門前に現れた侍(市川海老蔵)に家老(役所)は、以前現れた若い浪人(瑛太)の顛末を語る。1962年公開の映画『切腹』と同じ原作小説をベースにした、三池監督による時代劇。海老蔵事件の際に、「お蔵入りか」と騒がれたのは本作。

【映画文筆業・那須評】
★★★★★☆☆☆☆☆
コスプレのコスプレたるメタ時代劇
三池崇史が監督な時点で、『切腹』のリメイクという概念は取り払っていい。若い役者陣は顔が小さくスタイルがよくてかっこいいが、江戸時代のそれとは違う。そもそも当時の再現や武士道精神の考察、肉体感覚の痛みは、よくも悪くも無難なエンタメに昇華されている。一種のコスプレであった時代劇が一ジャンルとなった今、これはコスプレのコスプレといったメタ時代劇の試みとも言え、二重否定的にオリジナルに言及する。その意味で3Dの導入は正しい。

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