サイゾーpremium  > 連載  > 神保哲生×宮台真司「マル激 TALK ON DEMAND」  > 国後・択捉は日本の領土なのか? アメリカ...
連載
神保哲生×宮台真司 「マル激 TALK ON DEMAND」 第56回

国後・択捉は日本の領土なのか? アメリカの去勢と歴史的歪曲【後編】

+お気に入りに追加

【前編はこちら】
【中編はこちら】

ダミーはエネルギー政策をどこで見誤ったのか?

神保 日本が抱えている領土問題は、我々が理解していた話と明らかに違うことがわかりました。政府は北方領土関連で毎年億単位の広報予算を使い、国民に喧伝しています。その中で重要なのは教科書。学習指導要領の中では「領域の特色と変化については、北方領土など我が国の領域をめぐる問題にも着目させるようにすること」と定められていて、実際の運用としては、北方四島は日本本土と同一色で表示。僕らはその教科書を読んで育ってきたから騙されてしまったのだと思うけど、これも原発問題と共通点がある話です。

 更に言えば、これを伝えない記者クラブメディアの問題がある。新聞、テレビなどの記者クラブメデイアでは、領土問題は基本的に霞クラブと呼ばれる外務省記者クラブの管轄になります。外務省の記者クラブに入れてもらって、さまざまな便宜を受けているメディアが、こんな重要な問題で外務省、ひいては政府の方針に真っ向から反する報道ができるはずはない。しかも、大半の国民は長年の政治宣伝のおかげで、フィクションを心底信じているから、真実を報じなくても批判されることはない。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2024年5月号

NEWS SOURCE

サイゾーパブリシティ