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第1特集
がん治療医の現実を知る良書と悪書【1】

論争で露呈した医療界の"プライド"問題と進まぬ技術......"抗がん剤は効かない"の真相とは?

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──今年1月、「文藝春秋」にセンセーショナルな論文が掲載された。『抗がん剤は効かない』。筆者・近藤誠氏は、これまでも日本におけるがん治療の常識をことごとく否定し、医療界の異端者とされてきた人物だ。同書をめぐるさまざまな論争が飛び交う中、その真意を読み解くためには、どんな本を手に取ればいいのだろう。

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『抗がん剤は効かない』

 1981年以来、日本における死因の第1位に君臨し続ける病……それが、現在総死亡率のおよそ31%を占めるという「がん」である。

 国立がん研究センターのがん対策情報センターによると、現在がんによる年間の死者数は34万4105名(2010年度発表、09年のデータより)。05年度発表のデータでは32万315名だったことを考えると、現代の医学の進歩を持ってしても、5年間で2万人も増えていることになる。とすると、今年2月に製薬会社側の敗訴が確定した、抗がん剤「イレッサ」【註1】の問題然り、"がんの最新治療"として発表されてきたものたちはなんだったのだろうか。

 そんな中、時を同じくして話題を集めたのが、月刊誌「文藝春秋」で発表された近藤誠氏の論文『抗がん剤は効かない』だ。同記事が1月号に掲載されるとすぐ、「週刊文春」(共に文藝春秋)に反論が掲載されるなど、たちまちに論争が繰り広げられた(当特集【3】参照)。そして5月、『抗がん剤は効かない』【1】は単行本として発売され、早速話題を呼んでいる。しかし、さまざまな論説が飛び交い膨大な関連書籍が並ぶ中、知識のない我々はどの本を手に取り、がん治療について知ればよいのか。現代医療の最前線をよく知る医療ジャーナリストの田辺功氏に、がん治療の今を読み解いてもらった。

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