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宇野常寛の批評のブルーオーシャン 第14回

震災から考える──2

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『闘う日本 東日本大震災1カ月の全記録』

 3月11日の東日本大震災から、早1カ月半がたとうとしている。震災それ自体のもたらした傷に加え、福島第一原発の事故による社会混乱はなおも進行中であり、予断を許さない。この原発事故の長期化によって、今回の震災の意味はまるで変わってしまったと言っていい。私も前回示した分析に大きく補足しなければならないだろう。前回の本欄で、この震災が新しいオピニオン・リーダーを生み、インターネットを中心に言論と「世間」の世代交代が進み、日本再生のきっかけになるのではないか、と希望的観測を示した。もちろん、この分析自体は撤回する必要を感じない。しかし、この希望的観測には極めて大きな留保が付け加えられてしまうだろう。

 それは、原発事故の長期化による日本の「分断」がもたらす諸影響だ。そもそも、今回の震災はその被害が広範であったがゆえに、逆に日本社会分断の危機を孕んでいた。つまり、津波に襲われた東北地方東部と茨城県、そして計画停電や水質汚染の恐怖に断続的に襲われ続ける東京周辺、被害が軽微だった北海道及び西日本といった具合に、地方ごとに異なる震災の被害度合いにより、人々の生活感覚が分断されてしまう可能性が高かった。そしてそれが、原発事故の長期化によって現実のものとなってしまった。もちろん、震災の影響による企業倒産など、経済的には既にその被害は全国的になりつつある。しかしそれ以上に、生活実感のレベルでの分断のほうが、強い力として今の日本社会を支配しているように思える。

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