>   > なぜ陰謀論が大手を振ってまかり通るのか?...

――世の中には"評論家"という存在がおり、さまざまな物事に対して意見を述べる。だが、メディアに登場する彼らの意見の中には、よく聞くとかなり危なっかしいものも。暴論、極論、はては陰謀論が入り交じる言説までもが、なぜ支持されるのだろうか?

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80年代より各種メディアで活動する、ジャーナリストで作家の落合信彦氏。彼もまた批判と検証にさらされてきた人物である。

 東日本大震災発生直後から混乱に陥ったのは、物流や電力会社だけではない。それを報じるメディアもまた、同等に混乱していた。震災直後、各メディアは連日震災関連番組を報道し、テレビ番組には必ずといっていいほど「専門家」が登場した。代表的なところは、元東芝原子力事業部技術顧問の諸葛宗男氏や原子力工学専門の京都大学教授・中島健氏だろう。

 一方、専門家が極端な発言をし、視聴者の反応が賛否両論に分かれたケースも目立った。例えば、東京大学大学院工学系研究科教授の関村直人氏は3月中旬頃、海外メディアなどから福島原発の危険性を指摘されていたにもかかわらず、「炉心溶融はありえない」と強調。後に自身の所属学科に東京電力から5億円の寄付があることが発覚し、過度に東電を擁護する御用学者として非難を浴びた。また、原子炉工学専門の北海道大学教授・奈良林直氏は、プルトニウム漏洩問題について「プルトニウムは経口摂取で32グラムまでなら問題ない」という持論を展開し、ネット上で大きな批判にさらされた。

 いずれも専門家が安全を強調するあまり、視聴者が疑問を抱いたケースだが、なぜこのようなことが起きるのか? メディア文化研究を専門とする法政大学社会学部教授の小林直毅氏は、次のように推察する。

「震災直後、メディアで求められたのは、不安をあおらず視聴者に『安心』を与える専門家。しかし、当初は制作側も事態を正確に把握しきれていなかったため、『安心』を語れる専門家の選定基準が不明確で、誤った人選をする場合もあったでしょう。ただ、原発の状況がどんどん悪くなっていく上に、 計画停電が実行され、いい加減な『安心』論が通用しなくなった。国民がそれぞれの問題にきちんと説明してくれる人を求めるようになり、制作側も御用学者や無意味な極論を吐く『専門家』を排除していったように思います」

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