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──大人も楽しめる日本のハイクオリティ・サブカルチャーのひとつ、アニメーション。日々進化し続ける技術と想像力に、どうついていったらいいのだろうか……。アニメの真の魅力を浮き彫りにする新批評。

2011年3月号 ANIMATIONクロスレビュー

■人気ラノベ原作、秋冬期一番の話題作か

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『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』
原作/伏見つかさ
監督/神戸洋行
制作/AIC Build
TOKYO MXほかにて、10月より(12月19日終了)
高坂京介の妹・桐乃は文武両道かつ読者モデルまで務める女子高生だが、実は趣味・エロゲーの隠れオタク。その秘密を知ってしまった京介は桐乃のオタ活動に振り回される羽目になり、厨二病少女「黒猫」などと知り合う。累計280万部売り上げた人気ラノベが原作。


【批評家・宇野評】
★★★★★☆☆☆☆☆
もっとアニメならではの冒険を!
異常な状況の生む笑いと、オタク男子の欲望を女子中学生ヒロインに肯定させることによる消費者のヒーリングの両立……原作の練りこまれた仕掛けを忠実に再現した一作。これは同時に、原作のヒーリング効果が生む狭さと淡白さをも引き継いでいることを意味する(深夜アニメの視聴者は、もはやこの種のイイワケで癒されたい層だけでもないだろう)。妄想シーンのビジュアル化や原作改変をめぐるメタ言及など、アニメならではの冒険がもっと生きていれば。

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