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CYZO×PLANETS 月刊カルチャー時評第5回──COMIC編【1】

BL作家が描く"切なキモさ"に心掴まれる『BUTTER!!!』

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──趣味の細分化が進み、ますます男女の垣根がなくなりつつある"マンガ"。いくら売れなくなってきているとはいえ、マンガ大国日本の底力は健在です! 何を読んだらいいかわからない? ならばまずはこれを読め!

2010年11月号 COMICクロスレビュー

■人気BL作家青年誌進出1作目

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『BUTTER!!!』(1巻)
作/ヤマシタトモコ
掲載/「アフタヌーン」(講談社)
価格/580円 発売日/7月23日
『くいもの処 明楽』(東京漫画社)で『このBLがやばい!08年』(宙出版)2位を獲得するなど、人気を集めていた作者の初の青年誌連載作。高校からBガールになりたくてダンス部に入ったはずが、社交ダンス部に入ってしまった女子と、中学から続く軽いいじめによって無理やり入部させられたヲタク男子を中心にした青春部活マンガ。


【ライター・森田評】
★★★★★★☆☆☆☆
巧みに強かに、作家の転機となるか
期待の新鋭、今どきの部活動もの(シャイなサークル・ゲーム)を描く。無論、題材の社交ダンスをどう料理するかは重要なポイントに違いないのだったが、ストーリー上の動力は、さしあたりコミュニケーションにおける精神的な負担となっていて、持ち味の根暗な人物像、語り口の巧みさは思春期の殻を表現することに傾けられている。同傾向の『げんしけん』や『おお振り』を出した「アフタヌーン」でこれをやる、といった辺りを含め、したたかな作品である。

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