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CYZO×PLANETS 月刊カルチャー時評第2回──DRAMA編

無名の生活者たちへ贈る鎮魂歌──堤幸彦演出の後を継ぐ『新参者』!!

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──ついに"ドラマの帝王"木村拓哉ですら視聴率の取れなくなったドラマ大恐慌時代。そんなテレビ離れ世代にこそ見て欲しい、テレビマンたちの力とは? ドラマの見方が変わる新目線批評。

2010年8月号 DRAMAクロスレビュー

■いろんな意味で話題性抜群

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『月の恋人』
脚本/浅野妙子ほか
出演/木村拓哉、篠原涼子、リン・チーリンほか
フジテレビにて、今年5月より毎週月曜21:00(7月5日終了)

「もはや神通力も限界か」と囁かれるキムタクの、ゴリゴリのラブストーリーとしては10年ぶりとなる主演作。放映前から「彼との共演を人気女優が拒否」だの「リン・チーリンのほうが背が高い」だの、さまざまな話題が飛び交った。脚本は、先月当欄で取り上げた『八日目の蝉』と同じ浅野妙子。


【批評家・宇野評】
★★★★☆☆☆☆☆☆
コンセプトに実践が伴わない
キムタクにいつもの「キムタク演技」をさせたまま、複雑な内面を持つキャラクターを演じさせようという志は立派だが、見事に失敗。どう考えてもキムタク社長のキャラをじっくり描くしかなかったはずなのに、尺的にも書き込み的にもまったく足りてない。企業ドラマとしての展開も極めて安直で「ドラマだからこんなものでいいだろう」という甘えは許しがたい。コンセプトは明確なのに実践が伴わない、作りの粗さが目立つ。恋愛描写自体は悪くなかったのだが。

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