サイゾーpremium  > 特集  > 科学では解決できない深〜い世界"霊言"を...

──霊が人に降臨して触媒とし、意見を述べる"霊言"について、一般的な印象は"トンデモ"かもしれない。だが、その歴史は意外に古く、欧米では専門的な研究もなされているのだ。当企画では、学者の考察や、霊言本そのものへの評価、そして霊言への素朴なギモンを追及してみたい──。

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江原啓之氏もスピリチュアルのタブーに触れてます。

 霊言といえば、この世を去った偉人から、霊界の様相や現世への意見が霊媒や預言者を通して語られたり、自動書記によって文字情報として伝えられたりする行為だが、日本では、宗教団体「幸福の科学」大川隆法総裁や、「生長の家」の故・谷口雅春氏などのそれが有名である。また守護霊や前世のメッセージを感じ取る江原啓之氏が行う行為もその類いと言えるだろう。こうした霊言を始めとする近代スピリチュアリズムの起源となったのは、19世紀のアメリカで起きた「フォックス家事件」とされている。

 1848年、フォックス家の幼い少女2人が、誰もいないところから音が聞こえるというラップ現象を感じ、学者やマスコミに取り上げられ、瞬く間にブームとなった。やがて、この事件を発端としたスピリチュアル研究は西欧で積極的に進められたという。その第一人者が、アラン・カルデックである。65年に発行された『天国と地獄』【1】を含む彼の霊言シリーズは現在までにフランス語圏で400万部以上を売り上げている。日本語版の翻訳を担当したフランス思想を専攻する中央大学法学部准教授の浅岡夢二氏はこう語る。

「カルデック自身は霊能力を持っていなかったのですが、当時、フランス全土に広がっていった降霊会を指導し、そこで得た多数の霊言を検証したのです。カルデックが指導した降霊会では、イエス・キリストやソクラテス、プラトンといった人類史において燦然と輝く人物たちが降りてきたとされています」

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