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連載
宇野常寛の「現代用語の『応用』知識」第10回

ヌルいちょうちん記事を書いて、糊口をしのぐ物書き「御用ライター」

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 突然だが、この連載は今回で最終回だ。でも安心してほしい。単に、キーワードを考えるのが面倒になったので、フリーお題のコラムに切り替えるだけだ。今までこの連載に腹を立ててきた皆さんの自意識にとって、これからもどんどん都合の悪いことを書いていく予定だ。そもそも、カルチャー関係のメディア業界というのは非常に市場規模が小さく、かかわっている人間も少ない。そのためすぐにムラ社会化し、派閥争いも激しい。そこでは、特定の人脈の開く飲み会やイベントに顔を出して、実力者のゴキゲンを取った人間がかわいがられて「出世」する。サークルの「エラい人」の批判はせず、彼らの褒めている作品も褒める。そしてファンダムの最大公約数的な見解を示して、そのメンタリティを肯定してあげる。そうやって「空気を読む」人間が生き残っていくのが、この世界なのだ。僕もよく「もっと空気を読め」と言われる。数年前に先輩ライターから「お前は●●●●(有名なアニメ系御用ライター氏)みたいになりたくないのか」と説教されたこともある。もちろん「なりたくない」と答えたが。

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