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千秋パパの社長職復帰は財閥系企業の閉鎖性が原因!?

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MEMO旧財閥系企業
三菱、三井、住友、安田など、日本国内で戦前より続く同族系企業グループのこと。GHQによる終戦直後の"財閥解体"で一応は解体されたが、その後の高度経済成長を経て再結集を果たし、今にいたっている。

 三菱東京UFJ銀行が8月から取り扱いを開始した投資信託(以下、投信)が、金融業界で話題だ。投信とは、複数の株式や債券を組み合わせた金融商品。話題となっているのは「ダイヤセレクト日本株オープン」なるもので、"スリーダイヤ"とも称される三菱グループ傘下企業の株式のみを組み合わせた異色の商品だ。パンフレットには投資先企業として、三菱重工業や三菱地所、三菱倉庫などが並び、「伝統と信頼の三菱グループに投資を」とうたわれている。財閥系企業に集中投資する投信とは、「儲かるならなんでもありの兜町でも、聞いたことがない」(証券会社関係者)とのことだが、あるアナリストは、「特定の財閥系企業だけに投資するなんて、独占禁止法の縛りが厳しい欧米だったら、金融当局から認可も下りないような微妙な代物」とあきれ顔だ。

 これに対し三菱系企業の中堅社員は、「旧財閥系企業同士で株式を保有し合う“持ち合い”に対する締め付けが厳しくなっていることが背景にある」と明かす。今回の投信の販売元は、東京海上アセットマネジメント投信という三菱系の資産運用会社で、「ある企業への買い支えが必要な時に、その企業に重点的に投資配分を変えることができてしまう」(前出のアナリスト)。つまり、新しい形の株の持ち合いではないかというわけだ。

世間の批判を前におとなしくしてはいるが、その裏で財閥系企業グループの結束はより強固になっている。それというのも、閉鎖的とされてきた日本市場にも外資の影が濃くなっており、「外資にM&Aをされないよう、身内同士で結束を強める方向に進んでいる」(前出の証券会社関係者)ためだ。

 実際、財閥系企業のこうしたエピソードは、三菱以外でも事欠かない。

 東京・六本木にある高層ビル「泉ガーデンタワー」に毎月1回、黒塗りの高級車が並ぶ。同ビルの高層階にあるのは、住友財閥系企業の共同施設「住友会館」。そこで、「白水会」と呼ばれる住友財閥系の企業トップが集まる会合が開かれているのだ。各企業の近況などが報告される「親睦の場」というのが建前だが、今後の事業展開などの突っ込んだ情報交換が参加者同士で行われることもあるという。

 いわば住友グループの"幹部会 "というわけだが、なぜか1年前から、白水会の主要メンバーであるはずの大手ガラスメーカー・日本板硝子のトップのみが不参加。同社は、買収した英ガラスメーカー「ピルキントン」のトップだったスチュアート・チェンバース氏を昨年より社長に迎え入れていたが、チェンバース氏が白水会に参加することはなかった。代わりに参加を続けていたのは、タレント千秋の父親としても知られる、藤本勝司・同社会長(10月より社長に復帰)。住友グループ関係者は、「日本人だけの"内輪の会合"だから、外国人がいてはやりづらかったのだろう。同氏が今年9月いっぱいで社長を辞したのには、日本企業のそうした閉鎖性に嫌気が差した部分もあったのでは。だとすれば、あまりに情けない」と嘆く。

 その善しあしはともかく、いや応なく押し寄せるグローバル化の波の中、外資をうまく取り込み、互角にやり合っていかないと生き残れないのが現在の巨大企業。身内だけで居心地のよい生活を続けようとしているのでは、世界市場からそっぽを向かれてしまうのはいうまでもないだろう。

(隅田哲太)

これってインサイダー!?

本文中で挙げた「ダイヤセレクト日本株オープン」に関しては、「インサイダー情報を知った投資先の三菱系企業の社員が大量に投信を買う、というような事態も十分に考えられる。しかし、インサイダー取引の摘発対象は個別株なので、この投信では摘発の対象にならない。つまり犯罪の道具にだってなりかねないわけです」(アナリスト)との声も上がっている。


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